2005年刊行図書

●教 育

教育と不平等の社会理論──再生産論をこえて ☆小内透著

学ぶに値すること──複雑な問いで授業を作る ☆小田勝己著

マレーシアにおける国際教育関係――教育へのグローバル・インパクト ☆杉本均著

大学の管理運営改革――日本の行方と諸外国の動向 江原武一・杉本均編著

大学教授職とFD――アメリカと日本 有本章著

50代から夢さがし――旅、学び、シニア・ビジネス 小向敦子著

日本の教育経験――途上国の教育開発を考える ☆国際協力機構編著

西洋近代幼児教育思想史――コメニウスからフレーベル ☆乙訓稔著

教育の本質を求めて ☆山辺光宏著

大学教授の職業倫理 別府昭郎著

大学教育の改革と教育学 カール・ノイマン著/小笠原道雄・坂越正樹監訳

中国の後期中等教育の拡大と経済発展パターン――江蘇省と広東省の比較分析 ☆呉g来著

反大学論と大学史研究――中野実の足跡 ☆中野実研究会編

新時代を切り拓く大学評価――日本とイギリス 秦由美子編著

世界の外国人学校 ☆福田誠治・末藤美津子編

模索されるeラーニング――事例と調査データにみる大学の未来 吉田文・田口真奈編著

授業研究の病理 ☆宇佐美寛著

教育における比較と旅 ☆石附実著

人格形成概念の誕生――近代アメリカの教育概念史 ☆田中智志著

アジア・太平洋高等教育の未来像(静岡アジア・太平洋学術フォーラム) ☆静岡総合研究機構編/馬越徹監修

教育改革への提言集 4 改革はここから ☆日本教育制度学会編

一年次(導入)教育の日米比較 ☆山田礼子著

比較教育学――伝統・挑戦・新しいパラダイムを求めて ☆マーク・ブレイ編著/馬越徹・大塚豊監訳

メタフォリカル コンピテンス――比喩的表現の理解と運用[Metaphorical Competence in an EFL Context] ☆東眞須美(Masumi Azuma)著  → English Page

「改革・開放」下中国教育の動態――江蘇省の場合を中心に 阿部洋編著

アメリカ進歩主義教授理論の形成過程――教育における個性尊重は何を意味してきたか ☆宮本健市郎著

現代ドイツ政治・社会学習論――「事実教授」の展開過程の分析 大友秀明著

●国際関係

国連の平和外交 ☆マラック・アーヴィン・グールディング著/幡新大実訳

軍縮問題入門 新版 ☆黒沢満編著

●哲学

言葉の力(音の経験・言葉の力 1) ☆松永澄夫著

感性哲学 5 特集 コミュニケーション・デザインの哲学 ☆日本感性工学会感性哲学部会

●倫理

動物実験の生命倫理――個体倫理から分子倫理へ 大上泰弘著

生命の淵――バイオエシックスの歴史・哲学・課題 大林雅之著

●国際法

ベーシック条約集 第6版 山手治之・香西茂・松井芳郎編集代表 → ベーシック条約集(2006年版)

法と力――国際平和の模索 寺沢一著作集(現代国際法叢書) ☆寺沢一著

国際法――はじめて学ぶ人のための 大沼保昭著

国際法研究余滴 ☆石本泰雄著

国際人権条約・宣言集 第3版 ☆松井芳郎・薬師寺公夫・坂元茂樹・小畑郁・徳川信治編

●政治・経済

ポリティカル・パルス――現場からの日本政治裁断 大久保好男著

マッキーヴァーの政治理論と政治的多元主義 町田博著

象徴君主制憲法の20世紀的展開――日本とスウェーデンとの比較研究 (現在臨床政治学シリーズ3) ☆下条芳明著

実践 ザ・ローカル・マニフェスト ☆松沢成文著

決断!待ったなしの日本財政危機――平成の子どもたちの未来のために ☆矢野康治著

●社会学

東アジアの家族・地域・エスニシティ――基層と動態 北原淳編

ボランティア活動の論理――阪神・淡路大震災からサブシステンス社会へ 西山志保著

社会政策研究 5 特集 NPMと社会政策 『社会政策研究』編集委員会編

トクヴィルとデュルケーム――社会学的人間観と生の意味 ☆菊谷和宏著

労働社会学研究 6 日本労働社会学会編

記憶の不確定性――社会学的探究 松浦雄介著

日本の社会参加仏教――法音寺と立正佼成会の社会活動と社会倫理 ☆ランジャナ・ムコパディヤーヤ著

福祉社会学研究 2 福祉社会学会編

都市社会とリスク――豊かな生活をもとめて(シリーズ社会学のアクチュアリティ:批判と創造8) ☆藤田弘夫・浦野正樹編

比較教育学研究 31 特集 国際教育協力の現状と課題 ☆日本比較教育学会紀要編集委員会編

コミュニティ政策 3 ☆コミュニティ政策学会編

日本労働社会学会年報 15 若年労働者――変貌する雇用と職場 ☆日本労働社会学会

大杉栄の思想形成と「個人主義」 ☆飛矢崎雅也著

人は住むためにいかに闘ってきたか――欧米住宅物語 新装版 ☆早川和男著

韓国の福祉国家・日本の福祉国家 武川正吾・金淵明編

日常という審級――アルフレッド・シュッツにおける他者・リアリティ・超越 ☆李晟台著

福祉政策の理論と実際――福祉社会学研究入門 改訂版 ☆三重野卓・平岡公一編

●多分野交流研究

環境――安全という価値は… ☆松永澄夫編

●芸術

 ロジャー・フライの批評理論――知性と感受性の間で 要真理子著

芸術/批評 2005 2 特集 芸術理論の諸相 3 藤枝晃雄責任編集

●文学

流れ星を待ちながら 滝村光著


『動物実験の生命倫理――個体倫理から分子倫理へ』

大上泰弘著

2005.1.7 352p A5 4,000(税別) ISBN4-88713-590-4

生命科学の核心が分子レベルに及び、生命進化への介入さえ志向する今、個体としての人間に関わる倫理を人間類似の動物に演繹した従来の個体倫理は無力だ――全生物がその基本構造を共有するゲノムOSの履歴と多様性尊重を基盤に、生命の恒常性と進化を共に保証する新倫理=分子倫理を提唱し、その立場から現代生命倫理の中核的問題群、遺伝子操作、クローン生物、電子生命体、脳死と臓器移植等に対し具体的提言を行うと共に、科学者と一般社会間等、異なる価値観の間の摩擦を最小化する問題緩和システムの構築を図る。

目次 1 動物をめぐる問題/第2 論点の科学・技術的背景/第3 論点の思想的背景とその限界/第4 問題の分析方法/第5 分子倫理/第6 動物実験の問題緩和システムの提案

 

 


『学ぶに値すること――複雑な問いで授業を作る』

小田勝己著・白鳥信義編集協力

2005.1.10 128p 四六判 1,200(税別) ISBN4-88713-588-2

自ら思考し発見する喜びこそ「学び」だ。断片的な知識の羅列と能率的に「正解する」技術の伝授――こうした授業の反覆は教育を殺す。容易に答えの出ないリアルな課題に取り組み、自ら思考し発見し判断する喜びこそが学びの真髄だからだ。子どもたちを触発する「複雑な問い」を、今日の教育事情に下いかに作問・指導するか。その方法・実例を具体的に示し、日本の授業の抜本的変革を現場教師に提言する。

目次 序章 学びのヴァーチャル化を排す(精気がない「ゲームの日常」/「学びもゲーム」をどうするか?/「ユニークな考えをもつ」ということ/「複雑な問い」の価値――テスト文化を変えるために)/第1 学ぶに値することの現在位置(学ぶに値することとは何か/知識の構造化をめざす/学校単位のオリジナルカリキュラムづくりの時代に必要なこと/強い関心事をもとにオリジナル・カリキュラムをつくる)/第2 「学ぶに値すること」の構造と設計(教科書との対応を示す/関連性を拾い出す/現実的な事柄に関心をもつ/日常生活のなかからの作問/公的資料・出版物からの作問/自己評価は学びの「鼓動」である)/第3 考える問いをどう作るのか(なぜ課題の質を問うのか/本質的な課題をどう作るのか)

 

 


 『教育と不平等の社会理論――再生産論をこえて』

小内透著

2005.1.10 285p A5 3,200(税別) ISBN4-88713-585-8

目を奪う再生産論の展開とは裏腹に、止むことなく繰り返される社会的不平等の再生産――世代的再生産の有効性を滅殺する社会構造の変動・多元化、ジェンダー・エスニシティなど差異あるものとの差別なき共生等、変容する社会状況と理論の成熟をふまえ、従来の再生産論が内包する宿命論的性格の超克をめざす。

目次 再生産論の位置と新たな視点/第1 社会学の伝統と新たな社会把握の枠組み(「個人と社会」をめぐる社会学の歴史/実体としての機構的システム/労働――生活世界の構造と矛盾)/第2 階級・階層構造の形成原理とジェンダー・エスニシティ(現代社会における階級・階層のとらえ方/階級・ジェンダー・エスニシティと社会的不平等/ジェンダー・エスニシティの視点から見た階級・階層構造)/第3 階級・階層構造の社会的再生産と正当化のメカニズム(諸個人の階級・階層的地位の形成過程/文化的再生産としての世代的再生産/階級・階層構造の再生産・変動と正当化)/第4 再生産様式の変容と展望(日本社会の発展と再生産様式の変容/システム共生と生活共生/階級・階層構造の再生産と社会的不平等)

 

 


 『東アジアの家族・地域・エスニシティ――基層と動態』

北原淳編

2005.1.30 354p A5 4,800(税別) ISBN4-88713-592-0

いま東アジア各国・諸地域は、グローバル化の進展の中、工業化、都市化に伴い共通の変動を激しく体験している。経済の世界化のインパクトは、青年人口の都市流入、家族形態の変化、中間層の拡大等を推進し、日本が現在直面する諸問題はいまや各国共通の課題となりつつある。日本を含む東北アジア・東南アジア全18の国・地域を視野に、諸社会の固有の歴史的・文化的構造と、それと連関する今日の変容を実証的に比較・検証した労作。

目次 東アジア地域社会の構造と変動――農村社会を中心として/第1 家族(現代日本における家業の展開――京都在住者の事業承継に注目して/高度成長期日本における人の移動と家族の変容――篠山出身高学歴層の都市転出を事例として/近代化現象としての沖縄の門中――地域社会変容の視点から ほか)/第2 地域(現代日本農村の女性集団――東北庄内地方における年序集団と仲間集団/日本村落社会と森林管理の展開――兵庫県村岡町D区所蔵「収支明細帳」をもとにして/韓国ソウル郊外地域の都市化――城南市の成立と展開 ほか)/第3 エスニシティ(可変する村と人――雲南省「ミャオ族」村における生活実態から/ルアンパバーンの牛・水牛肉流通と黒タイ来住民――ラオス北部の社会経済変化の一側面/タイ国におけるムスリム・アイデンティティの行方――宗教・民族・国家のはざまで/フィリピン、イロコス地方における伝統的宴の現在――海外移住者の関わりを中心に)

 

 


『ポリティカル・パルス――現場からの日本政治裁断』

大久保好男著

2005.1.30 252p A5 2,000(税別) ISBN4-88713-587-4

日本の未来は、奈落への転落か、閉塞状況の打破か、それを決めるのは――小泉首相ではない。われわれ全国民だ。『デイリーヨミウリ』一年余連載の英文コラムを和訳し英文とともに収めた本書は、わが国政治の日々の脈動を、直截鋭利な分析とともに語り伝え、外国記者から注目を集めた。国民一人一人がわが事として政治を考えるための、まさに時宜を得た書。全53項、各項目日英各2頁を中心に集録。

目次 安保政策にみる「政治の責任」/政治改革を応援する民間組織/小泉首相の反主流派封じ込め作戦/衆院解散と小泉再選戦略の関係/小泉首相の「挑発作戦」の狙い/側近逮捕で傷ついた土井氏と社民党の運命/波紋広がる民主・自由の合併/防衛計画の抜本見直しを急ぐ時/総裁選に望む小泉首相の戦国武将的心境/公務員制度改革はどう進めればよいか〔ほか〕

本文:日英両文

 

 


 『ボランティア活動の論理――阪神・淡路大震災からサブシステンス社会へ』

西山志保著

2005.1.31 255p A5 3,600(税別) ISBN4-88713-593-9 C3036

駆けつけたボランティアは延べ150万人を超えた阪神・淡路大震災時救援活動の調査・分析を通じ、多発する災害、超高齢化の進展等、すでに公的福祉がカバーできぬ現実を見据えつつ、ボランティア活動の定着化、システム化の条件と課題を追求するとともに、サブシステンス=根源的な生の支えあいをキーワードにその新たな理論化を図る意欲作。

目次 1 市民活動研究の展開(市民活動の広がりと研究課題/「生」に関わる市民活動への注目/戦後日本におけるボランタリズムの変遷)/第2 阪神・淡路大震災が生みだした市民活動(大震災とボランティア活動の展開/新たなボランタリズムの生成/共感にもとづく非営利事業/地域社会に根づくコミュニティ事業/市民活動団体による「資源獲得の戦略」)/第3 市民活動研究の理論的課題(市民活動のアドボカシー機能・再考/ボランティアが切りひらく市民社会の可能性)

 

 


『社会政策研究 5 特集 NPMと社会政策』

『社会政策研究』編集委員会編

2005.2.15 211p A5 2,381(税別) ISBN4-88713-594-7ISSN1346-0552 C3036

目次 New Public Managementとは何か――特集のねらい(米国の医療政策評価システムの考え方と仕組み/ニューレイバーによるNHS改革/英国の社会的ケアにおける擬似市場/ニュージーランドにおけるNPMと医療政策/イタリアにおける行財政改革の経験/自治体経営からみた政策評価と社会指標の連携方策を探る)/自由論文――家族であることを支援する/書評・石川准『見えないものと見えるもの――社交とアシストの障害学』/書評・平岡公一『イギリスの社会福祉と政策研究:イギリスモデルの特徴と変化』/書評・武智秀之編著『講座・福祉国家のゆくえ3 福祉国家のガヴァナンス』

 

 


 

 『ロジャー・フライの批評理論――知性と感受性の間で』

要真理子著

2005.2.28 220p A5 4,200(税別) ISBN4-88713-589-0

フライによるセザンヌ、ゴーギャンら「ポスト印象派」の「発見」は、同時に従来の伝記的、文学的批評との決別であり、純粋に作品の内的情報である「造型性」を核とした批評の開始だった。現代芸術批評のパイオニア、フライの中核理念=「フォーム」「エモーション」「センシビリティ」等の概念を、厳密な資料調査に基づき的確に跡づけるとともに、多岐にわたる社会活動と広範な理念を貫通するその思想の本質を、精細に追究・考察した労作。

目次 1 フライの思想の変遷/第2 フォーム概念の成立/第3 ヴィジョン概念の変遷/第4 フォームの質――造形的な局面と心理的な局面/第5 感受性の論理/第6 社会的側面――同時代における位置づけ

 


 『マレーシアにおける国際教育関係――教育へのグローバル・インパクト』

杉本均著

2005.2.28 455p A5 5,700(税別) ISBN4-88713-595-5 C3037

6割を占めるマレー系人口と共に、経済的にはマジョリティに優越する華人系、インド系等のマイノリティを抱える多民族・多文化国家マレーシアにおいて、国家建設、国民統合の至上のツールとして、教育に課せられた使命は過酷なまでに大きい。マレー系優先政策の下での華人系への配慮、グローバル化とイスラーム的ナショナリズムの相克等、常に緊張を孕みつつ挑戦を続けるマレーシア教育の全容を、インドネシア等近隣諸国の教育の紹介・比較を加え、著者独自の問題関心の下活写した力作。

目次 1 マレーシアの教育にみる国際関係(マレーシアの教育におけるグローバル・インパクト/アカデミックな人的流動にみる国際教育関係/中等理科カリキュラムの開発と国際「移植」/教育言語と華人の国際教育ネットワーク/民族統合学校「ビジョン・スクール」構想 ほか)/第2 国境を越える教育問題――近隣諸国とマレーシア(インドネシアのイスラーム高等教育/シンガポールのマレー人教育/ブルネイ王国の言語・価値教育)

 

 


 『大学の管理運営改革――日本の行方と諸外国の動向』

江原武一・杉本均編著

2005.3.10 302p A5 3,600(税別) ISBN4-88713-596-3 C3037

大学の社会貢献、市場原理の導入の声はますます高く、いま世界の大学は従来の同僚制から法人制、企業制への歩みを加速しつつある。それは必然的に管理主体、財務運営、雇用形態の改変等の痛みを伴う。こうした切迫した状況下にもかかわらず、わが国ではこれまで大学管理運営に関する研究が乏しかったのはなぜか?――特定の国のみにとらわれず、多国間比較の成果を活用して今日の日本社会にふさわしい大学のあり方を究明・推進するため、改革の条件や基盤の異なる諸国の改革動向を体系的に分析・考察した、関係者必読の待望の研究。

目次 大学の管理運営改革の世界的動向(転換期の大学改革の背景/大学の未来像の予想/アメリカにおける大学の管理運営改革/大学の管理運営改革の方向/改革の課題と展望)/第1 日本の動向(国立大学法人化の射程/国立大学の法人化と日本の大学制度/国立大学の法人化と国立学校特別会計)/第2 欧米諸国の動向(アメリカの大学における管理運営モデルの変遷/エンロールメント・マネージメントとアクセスの平等性/イギリスの大学における管理運営改革/ドイツにおける国立財団型大学の設立)/第3 アジア諸国の動向(中国の高等教育における行政改革の進展/中国の大学における管理運営改革/トルコの大学における管理運営改革とグローバル化/マレーシアにおける大学法人化と民営化)

 

 


『大学教授職とFD――アメリカと日本』

有本章著

2005.3.20 296p A5 3,200(税別) ISBN4-88713-597-1 C3037

FDの制度化・活性化をめざして!世界のトップ水準をゆく真のエリートの養成。大学全入時代の学生に対する学力の質的保障。成人、留学生等多様化する学生への教育対応。――これら21世紀の大学教育に不可欠な多様かつ多面的な目標は、現在の大学教員全般の教育力では到底達成できない。従来の理念なき採用・養成方針に代え、米国等の経験に鑑み、FD=大学教授職の質的開発の制度化・活性化をめざす力作論考。

目次 大学教授職とFDの研究/1 大学教授職とFD――専門分野の視点(大学教授職の国際比較/FDの構造と機能)2 アメリカのFD(アメリカにおけるFD活動の動向/諸外国とアメリカにおけるFDの制度化)3 日本におけるFDの制度化(FD制度化の開始と展開/FDの制度化と葛藤の類型)/高等教育改革と大学教授職――研究と教育の関係を中心に

 


 『マッキーヴァーの政治理論と政治的多元主義』

町田博著

2005.3.31 246p A5 3,800(税別) ISBN4-88713-600-5

マッキーヴァーの政治理論には多分に理想主義的な面が感じられる。しかしながら、いうまでもなく、かれは実証性を重んじた社会学者でもある。そのような素養のある理論家が、社会学の成果にたって社会を分析し、認識しながら、調和的発展の社会哲学ともいってよい立場を示す政治理論を展開したことは十分注目してよい。この前提にコミュニティ論やパーソナリティ論があったことはいうまでもないし、このことは、政治理解に当たって社会論の重要性を示すものであろう。

目次 序章 マッキーヴァー政治理論の特質と背景/第1 民主政治論/第2 ヴェーバーとマッキーヴァー――政治の基礎視点/第3 国家論――H.J.ラスキとの比較で/第4 政治理論/第5 マッキーヴァー政治理論と現代政治/第6 マッキーヴァーにおける政治と社会/第7 社会理論/第8 マッキーヴァーと政治的多元主義/補論1 政治的多元論/補論2 政治的多元主義者の社会観

 


 『トクヴィルとデュルケーム――社会学的人間観と生の意味』

菊谷和宏著

2005.3.31 249p A5 3,048(税別) ISBN4-88713-602-1

社会学また社会科学は、自然科学が自然現象を扱う場合のように、「社会」という対象を客観的に分析することができるのか。個々に主観的存在である人間から成る社会を、なぜ客観的な全体性として認識することができるのか。この学の存立に関わる根源的問題を、二人の先駆者の人間、社会及び社会学への追究・理解の過程と到達点から検証するとともに、その限界を超えて、失われつつある生の意味の回復に至る方途を展望する。

目次 1 アレクシス・ドゥ・トクヴィル(生い立ち――家庭的背景から最初の懐疑へ/新大陸アメリカ――神の摂理、知的道徳的世界、権威/二月革命――社会主義とその対決:人民と人間/二月革命以後――「人間」と「社会」の誕生/死、信仰、そして生の意味)/第2 エミール・デュルケーム(第三共和制/客観的科学としての社会学/生の意味喪失――自己本位的自殺/ドレフュス事件/知的共通性あるいは論理的調和性/道徳的共通性あるいは道徳的調和性)/第3 結論(トクヴィル‐デュルケームの到達点/社会学的人間観/社会観の拡張――「社会」から「世界」への回帰/社会学の次段階――超越への経験科学的アプローチ:「主観‐客観」から「経験の全体」へ、そして生の意味)

 


 『労働社会学研究 6

日本労働社会学会編

2005.3.31 118p A5 1,800(税別) ISBN4-88713-604-8ISSN1345-7357

目次 論文(トヨタ生産方式における非典型雇用化と労務管理/インターンシップ生は何を得られたか?――実習プログラムとコミュニケーションから見えてくるもの)/研究例会報告(労働組合が行う労働者供給・派遣事業の実態とその意義/シンボリック相互作用論にもとづくキャリア研究――情報通信産業A社の事例研究/建設業の工法変化と技能再生産――住宅産業の工業化と企業・労組における職人養成のジレンマ/解雇規制と雇用――解雇規制の存在は雇用に悪影響をおよぼすか ほか)

 


 『象徴君主制憲法の20世紀的展開――日本とスウェーデンとの比較研究』(現在臨床政治学シリーズ3)

下条芳明著

2005.3.31 208p 四六判 2,000(税別) ISBN4-88713-605-6

20世紀前半の凋落から、象徴君主制憲法のもと民主主義との調和を得て、日欧において明らかに蘇った君主制――だがなお論議の絶えない"象徴"としての国家元首、また"象徴"にふさわしい行為の在り方等、今後の定着・発展のための課題を追求した時宜を得た書。

目次 君主制と民主主義――象徴君主制憲法論への視座/第1 スウェーデン象徴君主制憲法編(スウェーデン象徴君主制憲法の成立と構造――立憲君主制憲法から象徴君主制憲法への憲法政治史的変遷/スウェーデン象徴君主制憲法における国家元首制――"象徴"としての国家元首の地位と権能/スウェーデン象徴君主制憲法における王位継承制――選挙君主制か、世襲君主制か)/第2 象徴天皇制憲法編(象徴天皇制憲法の条件――象徴天皇制の地位と行為の再検討/象徴天皇制憲法の戦後的定着と"象徴"としての天皇の行為――「公的行為」をめぐる論議を手掛かりにして/象徴天皇の「公的行為」に対する内閣補佐制度――行政組織法上の観点から見た内閣助言制の変容)

 


 50代から夢さがし――旅、学び、シニア・ビジネス』

小向敦子著

2005.3.31 164p A5 1,800(税別) ISBN4-88713-577-7

目次 1 シニアと旅(シニアの世紀/観光の世紀/シニアが旅をする理由/江戸時代に旅のツールを探る)/第2 シニアと学び(シニアによる生涯学習が盛んになる世紀/シニアの大学(各国編/国内編)/シニアが遊学する世紀)/第3 シニア故のあれこれ(国内派シニアの移動/海外派シニアへ:留意点と対処法/「旅」・「学び」を振り返って:問題点と打倒法/「老」に立ちはだかるエイジズムの壁)/第4 シニア発ルネサンス(人生再考の岐路に立つ今/覚醒シニアが汚名を雪ぐ/シニア・ ビジネスで「予防」する/だからことシニア・ルネサンス)

 


『日本の教育経験――途上国の教育開発を考える』

国際協力機構編著

2005.3.31 334p A5 2,800(税別) ISBN4-88713-599-8 C3037

日本の開発援助は従来のカネ、モノ偏重を脱皮しなければならない。明治以降、日本が近代化への苦闘に際して積み重ねてきた多様な開発経験こそが、今日の途上国への最大の贈り物ではないか。本書は、日本の教育開発経験を、量的拡大、質的向上、マネジメントの改善の三つの視点から総括し、かつ個々の経験の途上国への応用可能性をつぶさに吟味した、日本教育の新たな発信である。特にわが国の内外で諸外国との教育協力に当たる関係者の必読・必携の書といえよう。

目次 開発途上国の教育課題/第1 日本の教育史の概観(日本の近代化と教育の発展)/第2 日本の教育経験(教育行政/教育財政/学校経営/明治時代の就学促進策――地方の取り組みを中心に/女子教育 ほか)/第3 開発途上国における日本の教育経験の応用に向けて/付録(年表:日本の教育の変遷/教育統計)

 


 『記憶の不確定性――社会学的探究』

松浦雄介著

2005.3.31 265p 四六判 2,500(税別) ISBN4-88713-601-3

近代化がもたらす故郷喪失や記憶の変容・欠落の中、我々の自己はゆらぎ、アイデンティティは混迷へと導かれる。この現代の不確定性に伴う忘却・反覆・成熟・充溢という四つの徴候群を、四人の同時代作家、後藤明生・古井由吉・村上春樹・津島佑子の作品を通して浮き彫りにするのと共に、無数の複雑系が織り成す現代の相貌"からくりとしての世界"を縦横に解読し、現代における生の新たなスタイルを提示する白熱の論考。

目次 1 記憶と社会/第2 記憶の不確定性――フロイトとベルクソン/第3 忘却と笑い――後藤明生/第4 反復する身体――古井由吉/第5 成熟の探究――村上春樹/第6 記憶の充溢――津島佑子

 


 『西洋近代幼児教育思想史――コメニウスからフレーベル』

乙訓稔著

2005.4.5 160p 四六判 2,100(税別) ISBN4-88713-606-4

目次 1 ヨハン・アモス・コメニウス/第2 ジョン・ロック/第3 ジャン・ジャック・ルソー/第4 ヨハン・ハインリッヒ・ペスタロッチ/第5 ロバート・オウエン/第6 フリードリヒ・ヴィルヘルム・フレーベル

 


 『教育の本質を求めて』

山辺光宏著

2005.4.15 173p A5 2,000(税別) ISBN4-88713-612-9

本書は「教育の本質」「教育の根本問題」「教育の根底にあるもの」などを探究する。しかも、終始一貫して、「人間とは何か。人間は人間としていかに生きるべきか」という問題について述べている。また、常にこれとの不可分の関連において、「教育とは何か。人間は人間としていかに教育されるべきか」という中心テーマをめぐって論が展開されている。

目次 1 現代における道徳の崩壊と創造/第2 現代教育と名誉の問題/第3 豊かな人間性を育む教育/第4 畏敬の念への教育/第5 親と教師/第6 老いと死の人間形成論的考察/参考資料

 


 『ベーシック条約集』第6

山手治之/香西茂/松井芳郎編集代表

2005.4.20 1225p 四六判 2,600(税別) ISBN4-88713-607-2

各章「本章の構成」は収録文書の相互位置づけと章テーマの包括的理解に最適。新条約・法令と共に、割愛されていた規範的国際文書も含め17件を新規収録。日本国憲法全文収録をはじめ、最近成立の有事関連法規等、グローバル化の現実に対応し、関連国内法も多数収録。巻末17章の国際法年表、選択条項受諾宣言分類表、PKO一覧、ICJ判決・勧告的意見一覧等も最新にしてユニークな内容。大きな活字で読みやすい学習至便の最新版。→本書の最新刊は『ベーシック条約集 2007年版』です

目次 国際機構/国家/個人/条約/海洋/空域/国際化地域/環境/国際経済/外交機関/国際犯罪/紛争の平和的解決/武力行使の違法化と安全保障/軍備の規制/武力紛争/平和の回復/国際法関係資料

 


 『大学教授の職業倫理』

別府昭郎著

2005.4.25 211p 四六判 2,381(税別) ISBN4-88713-613-7

今日の大学教授の使命は何か。ドイツ大学史研究の第一人者が長期にわたる大学教育及び大学運営参画の体験から日本の大学教授の現状を、自らを含め厳しく評価・裁断し、今在るべき大学教授像を明確に提示する。

目次 はじめに 何が問題なのか/第1 大学および大学教授とは何か/第2 大学教授の選任・昇進・停年/第3 大学教育の効用/第4 大学教育の方法/第5 大学教授の精神構造と型(タイプ)/第6 大学の意思決定システム/第7 大学教授の任務と求められる資質・能力と評価/第8 大学教授の養成システムの確立と大学教育学の構想/第9 大学教授の自己相対化のために――大学の歴史的研究のすすめ/結語 要するに、大学教授の職業倫理とは何か

 


 『実践 ザ・ローカル・マニフェスト』

松沢成文著

2005.4.25 222p 四六判 1,238(税別) ISBN4-88713-608-0

マニフェストは政策の情報公開。有権者本位、政策中心の本物の民主主義を創造する仕組み。本書はローカル・マニフェスト作成・選挙・実行・評価の全ステップの実践記録。

目次 1 新たな政治改革の広がりを求めて――マニフェストにかけたロマン(マニフェストとは何か?/ローカル・マニフェストって何? ほか)/第2 実践ローカル・マニフェスト――骨太のマニフェストを作るために(作成編――マニフェストを作る/選挙編――マニフェスト選挙をどう戦ったか ほか)/第3 政策実践実例(「首都圏連合の実現へ」/「地域経済の再生」――羽田空港国際化と産業の活性化 ほか)/第4 ともに民主政治の「ゲーム」を変えよう――政治改革の「プレーヤー」たちへ(ローカル・マニフェストの新展開/マニフェスト政治を実現するために)