【書評】荻巣 崇世・橋本 憲幸・川口 純編著『国際教育開発への挑戦―これからの教育・社会・理論―』

『国際教育開発への挑戦―これからの教育・社会・理論―』

(2021年、A5判、256頁、2800円+税)

コロナ禍で求められる研究や実践

全私学新聞 令和3年2月3日第2534号(4)

2020年コロナ禍で、本当に必要な能力とは何か、教育には何ができるのか、教育を通してどのような社会を目指すのか、これまでの教育開発を振り返り、今後求められる研究や実践を検討している。

第1部「誰が教育するのか」では、低額私立校が台頭するインドを事例に「教育新自由主義の是非」、難民の教育問題、教育におけるインクルージョンと不就学児童の教育戦略について論じている。第2部「どう具現化するか」では、国際機関のUNESCO、JICAの最前線で活躍する実務家が中心に論を進めている。また、「教育開発におけるグローバルガバナンスを考える―国際機関の視点から」では、グローバルガバナンス最大の成果は「教育に関する国際社会のコミットメントを引き出し、途上国の教育開発を大きく前進させたことだ」と指摘。第3部「いかに関わるか」では、「<わたし>から始める教育開発―に渡米における移民の子どものエクノグラフィー」「授業を鏡としてこれからの数学教育を考える」「脅威sの実践と成長を支える『外部者』のまなざし」などについて論考。

編著者は荻巣宗世・上智大学総合グローバル学部特任助教授、橋本憲幸・山梨県立大学国際政策学部コミュニケーション学科准教授、川口純・筑波大学人間系教育研究科助教。

お知らせ

旧サイトはこちら

ページ上部へ戻る