企業・行政の責任回避・不徹底をはじめ、加害と被害を連鎖的に拡大したメカニズムを社会科学的調査に基づき剔抉し、大量の未認定患者の存在をクローズアップした前版(1999年刊)に、その後の新たな問題展開――特に、多くの未認定患者を水俣病と認め、かつ行政の加害責任を明確に判示した最高裁判決や、新潟水俣病の教訓を伝えるための「ふれあい館(新潟水俣病資料館)」建設の経緯などを増補し、本問題の全貌を包含した最新版。
タイトル | 新潟水俣病問題[新版] |
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サブタイトル | 加害と被害の社会学 |
刊行日 | 2006年04月01日 |
著者 | 飯島伸子、舩橋晴俊 編著 |
定価 | 3800+税) |
ISBN | 978-4-88713-663-2 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 360 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第1章 新潟水俣病問題の歴史と概要
第2章 加害過程の特質――企業・行政の対応と加害の連鎖的・派生的加重
第3章 被害者潜在化のメカニズム――集団検診の受診と認定申請をめぐる困難の分析
第4章 水俣病差別とニセ患者差別――未認定患者への差別と認定制度の介在
第5章 家族による被害の経験
第6章 阿賀野川流域における生活世界の変容
第7章 職業に関連する損失および被害の総体
第8章 未認定患者の長期放置と「最終解決」の問題点
補論1 新潟水俣病の教訓化をめぐる動きと残された課題
補論2 水俣病関西訴訟の最高裁判決とその含意
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