艦船の通過通航と海峡沿岸国の利害との相克
世界に116ほどを数える国際海峡は、全ていずれかの海峡沿岸国の領海の12海里領海に属し、海峡利用国の通過通航の出張と、自国の利害上通航に何らかの規制を求める海峡沿岸国との対立が繰り返し生じている。本書は、国際海峡制度の現状を総括するとともに、「世界一重要な海峡」ともいわれるホルムズ海峡はじめ、日本にとって切実な主要国際海峡を巡る諸問題を多角的に検討・考察した、わが国の貿易および安全保障を考える上、今日不可欠の研究である。
タイトル | 国際海峡 |
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刊行日 | 2015年10月16日 |
著者 | 坂元茂樹編 |
定価 | ¥5060(本体¥4600+税) |
ISBN | 9784978913155 |
Cコード | 3032 |
ページ数 | 328 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第1章 日本と国際海峡
坂元 茂樹
1 はじめに
2 国際海峡制度と日本の対応
3 日本の海域を取り巻く現状と課題
4 ホルムズ海峡の通過通航権をめぐる米国とイランの対立
5 おわりに
第2章 通過通航制度と海峡沿岸国の航行規制
石井由梨佳
1 はじめに
2 海峡沿岸国の立法管轄権の射程
3 具体的な措置に関する分析
4 氷結水域と通航権
5 おわりに
第3章 北極航路における沿岸国規制と国際海峡制度
西本健太郎
1 はじめに
2 カナダ及びロシアの国内法令
3 内水であるとの主張の検討
4 国際海峡であるとの主張の検討
5 234 条の適用可能性とその下での権限の内容
6 おわりに
第4 章 国際海峡と海洋環境保護
奥脇 直也
1 UNCLOS の国際海峡レジーム
2 海洋環境保護との関係における沿岸国の規制権限
第5 章 ホルムズ海峡と国際法
中谷 和弘
1 ホルムズ海峡の死活的重要性
2 ホルムズ海峡に関するオマーン、イラン両海峡沿岸国の立場
3 イランの言動に対する主要諸国の反応
4 省 察
第6 章 台湾海峡の国際法上の地位と外国艦船航空機の通航
真山 全
1 はじめに―海洋法と中台関係
2 台湾海峡の海洋法上の評価
3 台湾海峡と中台武力紛争
4 おわりに
第7 章 武力紛争時における国際海峡の法的地位
和仁健太郎
1 はじめに
2 戦時・武力紛争時における船舶航行制限の諸態様
3 沿岸国が中立国である国際海峡
4 沿岸国が交戦国である国際海峡
5 おわりに
第8 章 国際海峡をめぐる実務的対応
長谷 知治
1 はじめに
2 海上保険の概要
3 担保危険としての戦争等について
4 海運関連の戦争危険に対する保険の概要
5 過去の事例
6 海運に関する戦争保険に係る政策的検討
7 おわりに