日系新宗教の布教と受容のプロセスにおける葛藤と奮闘のダイナミクス
立正佼成会の韓国での展開過程を縦糸に、それにかかわる人々のライフヒストリーを横糸にして、それらが織りなす葛藤・奮闘・需要のあり方を描き出す。反日感情の存在する韓国で、日本にルーツがある宗教としての困難のなかで、韓国立正佼成会は日本性を希釈し、現地の文化を選択的に受け入れて状況適合的に変化させながら、先祖供養や心なおしの信仰の中核部分は変えずに布教していった。綿密な聞き取り調査をもとに、元在日コリアンの韓国布教での奮闘と現地の韓国人信者の信仰受容のあり方を活写した著者渾身の力作。
タイトル | 韓国立正佼成会の布教と受容 |
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刊行日 | 2019年03月28日 |
著者 | 渡辺 雅子 |
定価 | ¥4070(本体¥3700+税) |
ISBN | 978-4-7989-1552-4 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 328 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第一章 韓国における立正佼成会の展開過程―日本宗教であることの困難と在日コリアンによる現地韓国人布教
一 韓国立正佼成会の現況(二〇〇四年)
二 本部派遣教会長による初期布教の展開
三 韓国人による韓国布教の展開
四 李福順・幸子による布教の模索と取り組み
おわりに―二〇〇五年以降の展開
第二章 韓国立正佼成会にみる日本的要素の持続と変容 ―現地化への取り組み
一 文化的異質性の稀釈
二 佼成会式先祖供養と韓国の宗教文化との葛藤
三 韓国人信者からみた文化的違和感とその理解
おわりに
第三章 支部組織の転機と三支部制初代韓国人支部長の信仰受容の諸相 ―教会道場のリノベーションが与えた影響に着目して
はじめに
一 教会道場のリノベーションと支部組織への影響
二 初代城北支部長朴鍾林の信仰受容のあり方
三 初代龍山支部長盧承元の信仰受容のあり方
四 初代儀旺支部長金美慶の信仰受容のあり方
おわりに
第四章 韓国人幹部信者の信仰受容と自己形成
はじめに
一 韓国立正佼成会の現況(二〇一八年)
二 呉丁淑(龍山支部長)の信仰受容と自己形成
三 成淑姫(教務部長・城北支部長)の信仰受容と自己形成
四 姜埰仁(儀旺支部長)の信仰受容と自己形成
五 黄慶子(総務部長)の信仰受容と自己形成
おわりに
第五章 在日コリアン二世の女性教会長のライフヒストリー―李福順の人生の軌跡と布教者・信仰者としての自己形成
はじめに
一 生い立ちと結婚
二 韓国への帰国と苦難の始まり
三 立正佼成会大阪教会への入会と活動
四 韓国布教を担うようになる経緯
五 李福順の困難・葛藤・自己形成
おわりに
むすび
一 韓国における日本イメージと布教に際しての在日コリアンの役割
二 各章の要約
三 韓国立正佼成会にみる異文化布教の課題
四 社会の変化と今後の課題
あとがき/参考文献/韓国立正佼成会布教史年表/索引