間違いがまかり通っている、日本。正体不明のグローバル化の名の下に、大学は、補助金をポイントとする行政主導型の「受動的改革」に身を委ねているのが実態だ。そして全て「仕方のないことだ」と現状と心中してはいまいか。「大学の死」は大学本来の機能を失っている惨状のことだ。瑣末なことに目を奪われ、物事の全体を俯瞰する構想力を喪失することであり、その先に何が結果するか見えなくなることだ。本書は、全ての大学人が総合的な教養と判断力を回復すべく、「自立的改革」に今こそ立ち上がる意義に気づかせてくれる、著者渾身の書である。
タイトル | 「大学の死」、そして復活 |
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刊行日 | 2015年6月15日 |
著者 | 絹川正吉 |
定価 | ¥3080(本体¥2800+税) |
ISBN | 978798913025 |
Cコード | 3037 |
ページ数 | 336 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
Ⅰ.「教養教育」を問う
はじめに/「教養」という言葉が含むもの/教養と社会的関与─ファシズム批判と加担/教養教育・一般教育・リベラルアーツ教育/学士課程教育の内容/ICUにおけるリベラ ルアーツ教育/リベラルアーツ教育の意義と成果/「専門教養科目」の意義と実践/「一般教育」の思想的変質
Ⅱ.大学教育を語る
禁じられた学び/大学教育のデザイン /大学コミュニティの創造/リベラルアーツ・カレッジで働く/共に創る
Ⅲ.学士課程
初年次・キャリア教育と学士課程/学士課程教育における初年次教育/学びの転換
Ⅳ.FDのダイナミックス
「行政的と自律的」 /「工学的方法と羅生門的対応」/「今後の課題」
Ⅴ.大学のガバナンス
学校教育法改正で何が変わったか/私立大学の組織・経営再考私立大学のガバナンス─国際基督教大学の経験から/学長のリーダーシップ
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