開発協力が直面する難局突破のために地域や分野ごとに固有の複雑な問題を抱えている国際開発では、時に予想外の事態が生じ、しばしば当事者を窮地に追い込む。本書は、こうした困難解決への事前研修として、広く有効性が認められているケース・メソッドの学習書であり、開発現場で頻出する多様な問題群を織り込んだ17のストーリーの中で、学習者は登場人物と共に難局に直面し、教師が導く討論を通じ自ら解決の方途を追求するよう編まれた、関係者必読のテキストである。
タイトル | ケースで学ぶ国際開発 |
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刊行日 | 201年9月1日 |
著者 | 山口しのぶ・毛利勝彦・国際開発高等教育機構編 |
定価 | ¥2860(本体¥2600+税) |
ISBN | 978-4-7989-0074-2 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 272 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
はじめに
巻頭言(国際開発高等教育機構)
なぜケースで国際開発を学ぶのか(山口しのぶ)
どのようにケースで国際開発を学ぶのか(毛利勝彦)
経済と開発
1 それでも続けなければならない理由はあるのか――混迷する小企業向け金融プロジェクト(菅野悠紀雄)
2 「もう援助はいらない!」――農業灌漑から老人協会に転換したプロセスとは?(阿古智子)
社会と開発
3 中東における教育支援――イエメンの女子教育推進(桜井愛子・小川啓一)
4 経済移行国における国際連携とは――モンゴルで(山口しのぶ)
5 生活スタイルを変えることは可能か――スリランカで(樋口まち子)
6 活動は誰のためのもの? ――中南米のある国で(村山智子)
7 撃たれる前に逃げよ?――ネパールの参加型村落開発プロジェクト(田中由美子)
8 「少数民族による少数民族のためのプロジェクト」の理想と現実(矢野智子)
9 何が間違いだったのか――フィリピンで(板垣啓子)
10 崖っぷちのメコン委員会(中山幹康)
11 零細漁民は沿岸開発にどう立ち向かえばよいのか――マレーシア国ペナン島漁民のエンパワメント(川辺みどり)
12 東太平洋キハダマグロ漁とイルカの混獲(稲本 守)
13 「参加型」って「誰」のこと?――参加型森林管理からみた「参加」の検討(西野桂子・相馬真紀子)
14 平和構築事業において安全管理をどう行うか?(清水康子)
15 誰が何を必要としているのか――インド洋津波被災者支援の現場から(木山啓子・ 田仲 愛)
16 ジェンダーをめぐるタリバーンとの対話(勝間 靖)
17 紛争後の開発と資源管理――命がけの交渉術(村田俊一)
「ティーチング・ノート入手方法」
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