豊富な一次文献に基づき、ペスタロッチが活躍したヨーロッパの時代状況、とりわけ18世紀のチューリッヒの経済・社会・政治状況を丹念に辿り、その活動と思想を浮彫りするとともに、成功経験だけではなく、失敗と挫折にも焦点を当て、彼の思想の本質が時代状況に必ずしも適合し得なかったことを指摘した、従来にない伝記。
タイトル | ヨハン・ハインリッヒ・ペスタロッチ |
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刊行日 | 2015年04月20日 |
著者 | ダニエル・トレェラー著/乙訓稔監訳/大沢裕・椋木香子訳 |
定価 | ¥2420(本体¥2200+税) |
ISBN | 978-4-7989-1295-0 |
Cコード | 3037 |
判型 | 四六 |
製本 | 上製 |
日本語版への序
訳者凡例
序 章
第一章 一八世紀中期のチューリッヒ―経済的・文化的繁栄および革命の策動―
第一節 一八世紀の共和制チューリッヒの政治構造
第二節 一七五〇年頃のチューリッヒにおける社会生活の商業化
第三節 堕落と零落に対する戦い
第二章 ペ スタロッチの青年期―共和制の革命家―
第一節 一七六〇年以降のチューリッヒにおける青年運動
第二節 ペスタロッチの急進的共和主義
第三節 共和制を支持する仲間たちと職業選択
第三章 農 業、初期の産業とキリスト教的共和制
第一節 古典的な有徳の共和制と初期産業の可能性―ノイホーフ―
第二節 初期の産業を加えての農業か、産業なしの農業か
第三節 政治の改革
第四節 『リーンハルトとゲルトルート』
第四章 古い共和制と近代の自然法
第一節 スイス共和制への幻滅
第二節 民衆の啓蒙と近代の自然法
第三節 『リーンハルトとゲルトルート』(一七八五年と一七八七年)
第五章 フ ランスの共和制、古典的共和主義と内面的道徳
第一節 フランス革命とペスタロッチの態度表明
第二節 一七九〇年代半ばの政治的帰結
第三節 ヘルヴェチア革命前夜のペスタロッチの『探究』(一七九七年)
第六章 ヘルヴェチア共和国と「方法」の発見
第一節 一七八九年のヘルヴェチア革命と昔の有徳の共和制再建の期待
第二節 シュタンツ
第三節 ブルクドルフ―「方法 」―
第七章 宣伝と学園の成功
第一節 スイス人たちの宣伝とその成果
第二節 外国での好成果とペスタロッチを巡る崇拝
第三節 政治か教育か
第八章 証 人としてのペスタロッチのカリスマと問題
第一節 政治的争いとペスタロッチ学園の諸段階
第二節 経営問題としての成長と成功
第三節 イヴェルドンのペスタロッチの教育施設に関する一八一〇年の報告書
第九章 教育家の政治的遺言とその使命
第一節 学園の不穏な年月
第二節 『純真者、誠実者、高潔者に』(一八一五年)
第三節 新しい貧民教育施設
第一〇章 確信、没落と始められた崇拝
第一節 イヴェルドンにおける学園の最終的崩壊
第二節 ノイホーフにおける最後の新たな始まりと結末
第三節 死、静寂、そして始められた崇拝
監訳者あとがき
原著年表
事項索引
地名索引
人名索引