「文明化」の只中になぜ過激な「暴力」が出現したのか?
全二〇世紀を通じ、すなわちその生涯を西欧文明の高揚と危機とともに、ユダヤ人研究者として生き抜いたエリアスの営為には、「時代」が深く刻印されている。国家・国民の近代化と暴力の馴致による「文明化」を基点としたその研究を体系的に論考した本書は、他の多くの見解と異なり、ナチズム等現代の「暴力」を、国民形成の限界からの、つまり「文明化の過程が孕む暴力」と分析する。とすれば、今後のグローバル化に伴う新たな文明化にも、更なる危機が潜んでいるだろう。見逃すことのできぬエリアス研究。
タイトル | 文明化と暴力 |
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サブタイトル | エリアス社会理論の研究 |
刊行日 | 2014年12月01日 |
著者 | 内海博文 |
定価 | 3400+税) |
ISBN | 978-4-7989-1273-8 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 256 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
序章 『文明化の過程』をめぐって
一 フロイトとエリアス─「文明化」への問い─
二 マンハイムとエリアス─新興学問としての社会学─
三 フーコーとエリアス─自分自身からの離脱と自己距離化─
四 本書の課題と構成
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