現代国際法のアクチュアリティ――その苦闘と希望第一線研究者15名を結集した本書は、第Ⅰ巻と共に、眼前の今日的事態と現代国際法の対決を中心に、充実した考察が展開される5部構成の論集であり、そのアクチュアリティは、ガブチコヴォ事件、ソマリア沖海賊、旧ユーゴ国際裁判所判決、グローバル化と国際法等、若干の論文テーマからも推察できるだろう。そこには現実と理念との葛藤下にある現代国際法の苦闘と希望が凝集されており、松井教授の古稀記念に適う力作論文集の誕生と言えよう。
タイトル | 現代国際法の思想と構造II |
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サブタイトル | 環境、海洋、刑事、紛争、展望 |
刊行日 | 2012年3月1日 |
著者 | 編集代表 松田竹男・田中則夫・薬師寺公夫・坂元茂樹 |
定価 | 6800+税) |
ISBN | 978-4-7989-0118-3 |
Cコード | 3020 |
ページ数 | 480 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第5部 環境の保護と持続可能な発展
「大気の保護」に関する法典化(村瀬信也)
現代国際法と持続可能な発展(西村智朗)
気候変動分野における国境調整措置とそのWTO協定適合性(高村ゆかり)
個別国家の利益の保護に果たす予防概念の役割とその限界(繁田泰宏)
油による汚染損害に対する責任および補償に関する国際制度(富岡 仁)
第6部 海洋法をめぐる新たな問題
国家管轄権の限界を超える海域における生物多様性保全の課題 (田中則夫)
普遍的管轄権の陥穽(坂元茂樹)
第7部 国際刑事裁判所をめぐる動向
刑事司法を通じた新植民地主義(稲角光恵)
旧ユーゴ国際刑事裁判所判例上の「共同犯罪実体」概念(木原正樹)
第8部 紛争の解決と平和の維持
国際司法裁判所特定事件裁判部再考(酒井啓亘)
国際法における「武力紛争」の概念(浅田正彦)
平和維持分野における国際連合とアフリカ連合のパートナーシップの模索(楢林建司)
安保理強制措置の多様化(松田竹男)
第9部 国際法の発展と課題
普遍的公権力と普遍的法秩序(最上敏樹)
グローバル化時代における国際法(奥脇直也)
松井芳郎先生略歴・主な業績
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