タイトル 美を究め美に遊ぶ
サブタイトル 芸術と社会のあわい
刊行日 2013年07月01日
著者 江藤光紀・荻野厚志・田中佳編著
定価 2800+税)
ISBN 978-4-7989-1184-7
Cコード 3070
ページ数 296
判型 A5
製本 上製

河村錠一郎と門弟たちのコンチェルト―マニエリスムから3.11へ―3・11の衝撃は広くかつ深い。この事態に際し、「美に一体何の意味があるのか?」この問いをめぐって、美の世界の「達人」河村錠一郎と、一橋大学を中心とする門弟たちが展開する多彩なコラボレーションが本書だ。芸術の本質的な力を日常性の「破壊と解放」ととらえる河村氏の精神は、時代やジャンルを超えた自由な芸術研究を産んだばかりではない。それは震災に直面した現場にも受け継がれ、直接の癒やしを超えた「芸術の力」を引き出すこと、すなわち「3・11から芸術へ」というベクトルも、本書の随所に窺えよう。我々は今、フランス革命の激動の中でルーヴル美術館が開館した事実を、改めて考えてみるべきかもしれない。

第1部 美を究め美に遊ぶこれまでの歩みを振り返って(インタビュアー 中澤幸夫)
 明治時代のワッツ熱愛(河村錠一郎)/付録:年譜・主要著作目録
第2部 芸術の越境晶子、藤村、キューピッド―『みだれ髪』管見(加藤光也)
 南アフリカの画家ジェラード・セコト(福島富士男)
 私を見て! 詩と絵画の競合/闘争(三宅昭良)
 G・バタイユとA・ブルトンにおける「魔術的芸術」について(荻野厚志)
 松方コレクションのモネ(陳岡めぐみ)
 1793年8月10日、ルーヴル美術館の開館(田中 佳)
 大阪万博と東京ビエンナーレ(石橋 宏)
 フィリップス館からポリトープ・シリーズへ(江藤光紀) 
第3部 芸術と社会Ⅰ 
一橋大学「芸術と社会」研究会ポートレートⅡ 3・11 震災後の芸術を考える 
 報告とディスカッション福島県立美術館から(荒木康子)
 いわきで働いて感じたこと(今尾博之)
 3・11を巡って(小池博史)
 震災と文化事業の今(陶山伊知郎)
 被災建物が示す安全性と芸術性融合のヒント(松宮綾子)
 「いま、ここで」奏でられる音楽の力(江藤光紀) 

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