その重層的な思想に見る「観察者精神の評価」政治不信と無関心の増大に対し、通常期待される市民の政治参加と共に、「非行動」即ち「観客」として政治の「劇場」を観察し、思考力と判断力を鍛える営みを高く評価したように、アーレントの政治思想は重層的なのだ。我々が現在陥っているのが、直線的な行動を無効にする不気味で朦朧としたシステムだとすれば、それは極めて貴重である。観察の思想を基点に、革命と自由、罪と許し、公共性、自然と科学等、アーレントの思想の本質を多角的に追求した力作。
タイトル | 観察の政治思想 |
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サブタイトル | アーレントと判断力 |
刊行日 | 2013年04月01日 |
著者 | 小山花子 |
定価 | 2500+税) |
ISBN | 978-4-7989-0166-4 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 192 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
まえがき
序 章―聴衆民主主義を超えて
第1章 観察者としてのアーレント
第2章 徹底的な民主主義の種火―建国と自由の狭間で
第3章 死と昏睡の後に―古代・中世・近世を貫く公共性の変容
第4章 劇場の政治とその含意
第5章 許し
第6章 人と自然―アーレントの科学技術批判
参考文献初出一覧
索 引
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