「衛生」による住民の国民化は貫徹されたか近代国家において展開・普及されてきた衛生制度や衛生規範、それは博愛という非政治的戦略を通して、住民全体を──時に生産者として時に兵士として──国家に貢献しうる国民へと陶冶・管理する強力な政治技術でもあった──学校衛生をはじめ、近代日本における「衛生」の概念・制度・実践の歴史を詳細に検証・考察するとともに、多くの聞き取りによって、必ずしも政策意図とは合致しない住民側の受容の様相を浮き彫りにした、充実の歴史社会学研究。
タイトル | 近代日本における衛生の展開と受容 |
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刊行日 | 2010年2月1日 |
著者 | 宝月理恵著 |
定価 | 3800+税) |
ISBN | 978-4-88713-970-1 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 336 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
主要目次
序章 課題と方法
第一章 近代医事衛生制度の成立と衛生思想
第二章 学校口腔衛生の確立と歯科学の専門職化
第三章 衛生経験の聞き取り
第四章 新中間層家族における母親の衛生戦略補遺 「京城府」の衛生経験
第五章 身体化される/されない衛生実践
終章 近代日本の衛生経験
参考文献
索 引
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