パターナリズムからケアへ教育は目的論の王国であり、陶冶と能力開発を至上目的とする近現代教育は、生徒という「存在」のためというよりも、生徒を「目的」へ向け牽引するパターナリスティックな行為となる。不登校、高校中退、校内暴力といった目的に逆らう行動は、「病的」な非倫理と刻印され、教育からの追放・離脱に帰結するほかはない。だがく医師にとって病(ルビ:やまい)は何ら「病的」ではないのだ。ケアの場で見るような関係性のあり方を、教育現場において追求・考察した、優れて今日的な実践的理論の展開。
タイトル | 関係性の教育倫理 |
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サブタイトル | 教育哲学的考察 |
刊行日 | 2013年01月01日 |
著者 | 川久保学著 |
定価 | 2800+税) |
ISBN | 978-4-7989-0155-8 |
Cコード | 3037 |
ページ数 | 232 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
教育のアンチノミー─まえがきに代えて
第1章 問題の所在
第2章 なぜ彼らは離脱するのか─関係性の論理
第3章 述語論理とケア─「かけがえのなさ」の考察
第4章 「気がかり」と「待ち望むこと」─ケアの現象学
第5章 招かれざる者の歓待─「教育関係の原風景」
第6章 結論走路なき走路へ─あとがきに代えて
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