「食品公害」は決して終わっていない
その被害が極めて深刻であるにもかかわらず、納得のいく補償もなされぬまま45年以上が経過し、今なお有効な対処が確立されていない――本書は、現在も多くの被害者が苦しんでいる「カネミ油症問題」の経緯を、改めて詳細に検討し、不条理な結果をもたらした原因を鋭く追及するとともに、法律上は存在しないとされてきた「食品公害」を独自の問題として認識することの必要性を指摘し、被害の救済策を具体的に提言する。
タイトル | 食品公害と被害者救済 |
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サブタイトル | カネミ油症事件の被害と政策過程 |
刊行日 | 2015年02月26日 |
著者 | 宇田和子 |
定価 | ¥5060(本体¥4600+税) |
ISBN | 978-4-7989-1287-5 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 432 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
はしがき/序 論
第Ⅰ部 本研究の視点と事例の基礎的知識
第1章 食品公害問題の分析視点
―公害・化学物質汚染問題の先行研究より 第2章 食品公害という問題認識の必要性
第3章 油症をめぐる医学的・化学的知見の整理
第Ⅱ部 油症問題の歴史
第4章 なぜ油症が起きたのか
―第1期:事件発生の前提条件(1881-1968)
第5章 なぜ被害者は訴訟を取り下げたか
―第2期:裁判闘争(1968-1987)
第6章 なぜ被害者は沈黙したか
―第3期:特例法成立期(1987-2007)
第Ⅲ部 被害と政策過程に関する考察
第7章 救われる被害、救われない被害
―森永ヒ素ミルク中毒事件との比較
第8章 2007年時点から見た油症の被害
第9章 油症「認定制度」の特異性と欠陥
第10章 食品公害の被害軽減政策の提言
結 論
参考文献/資料/索 引
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