現社会秩序の強制を容認できない時の学者・研究者の責任と勇気。一貫する人間陶冶論。
対立する東西の政治原理やイデオロギーを止揚し、同時代の社会秩序と個人の間の絶え間ない葛藤を真摯に見据えた「自己理解」は、現代社会における科学・学問のあり方に通底する痛烈な批判を投げかける-。
リット晩年の論集『東西対立の光に照らした科学と人間統治』(1958)より二篇、最初の単著論文集『歴史と生』(1918)より一篇を編纂収録。
タイトル | 現代という時代の自己理解 |
---|---|
サブタイトル | 大学・研究=教育の自由・責任 |
刊行日 | 2021年9月30日 |
著者 | T.リット著、小笠原道雄・野平慎二編纂訳 |
定価 | ¥2640(本体¥2400+税) |
ISBN | 9784798917191 |
Cコード | 1030 |
ページ数 | 240 |
判型 | 四六 |
製本 | 上製 |
課題設定 はしがき
序文
凡例
Ⅰ 時代の転換期における大学
科学と時代意識/共産主義の時代意識/イデオロギーと科学/幻想と真理/時代意識のなかの技術/時代意識のなかの国家/伝承と継続教育/人間についての科学/人間以外のものについての科学/自然科学と自己省察/救いの力としての科学
Ⅱ 現代という時代の自己理解
自己理解の本質/啓蒙主義の自己理解/共産主義イデオロギーの自己理解/西側世界の不確実性/生の合理化/自然科学と技術における合理化/共産主義システムにおける「進歩」/西洋の思考における人間と「事物」/西側の思考における人間と生の秩序/東側と西側の国家理解/人間と歴史
Ⅲ 現代を歴史的に理解する
歴史の像の形成/偽りの歴史の像/歴史的理解を目指した教育/歴史的な自己批判への教育
解説
あとがきに代えて
関連書籍