引き裂かれた心、家族、コミュニティ、伝統。—将来の「修復」のため社会学に何ができるか。
平穏な日常が原発事故を機に失われる精神的・心理的分断、避難生活を余儀なくされたことによる故郷や家族との物理的分断、地域コミュニティの瓦解などによる社会的分断そして代々行われてきた伝統行事が断絶したことによる文化的分断——福島第一原発事故によって引き裂かれた多様かつ複合的な「分断」の諸相を描き、継続的な社会調査による「分断」修復の方途、そして「つながり」の再構築を目指した渾身の一冊。
タイトル | 原発分断と修復的アプローチ |
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サブタイトル | 福島原発事故が引き起こした分断をめぐる現状と課題 |
刊行日 | 2023年08月31日 |
著者 | 成元哲 牛島佳代 編著 松谷満 除本理史 高木竜輔 藤川賢 松井克浩 長澤壮平 三上直之 著 |
定価 | 税込3960円(本体3600 円+税) |
ISBN | 978-4-7989-1864-8 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 264 |
判型 | A5 |
製本 | 並製 |
成元哲(そん・うぉんちょる)
中京大学現代社会学部教授、修士(社会学)(東京大学)、「福島子ども健康プ
ロジェクト」代表
主著:「福島における分断修復学の創成」(共著、『中京大学現代社会学部紀要』、2023 年)
牛島佳代(うしじま・かよ)
愛知県立大学看護学部准教授、博士(医学)(熊本大学)
主著:『終わらない被災の時間』(共著、石風社、2015 年)
はじめに―原発分断の諸相(成元哲)
第1章 集合的トラウマとしての原発事故(成元哲・牛島佳代)
第2章 原発事故対応をめぐる認識のずれはなぜ修復されないのか(松谷満)
第3章 原発事故被害の賠償と分断修復(除本理史)
第4章 原発避難者受け入れ地域における分断とその構造(高木竜輔)
第5章 復興をめぐる分断と修復への課題(藤川賢)
第6章 広域避難者における「関係性」の変容(松井克浩)
第7章 地域の行事を通した分断修復(長澤壮平)
第8章 修復的な社会調査へ(三上直之・牛島佳代・成元哲)
第9章 福島県中通りにおける分断修復に向けた介入研究(牛島佳代・成元哲)
おわりに―多様な選択を可能にする社会を求めて(成元哲)
索引/執筆者紹介
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