公害問題の再検証を通じ日本社会の暗部を鋭く抉る
一般にすでに解決済みとみなされている公害問題だが、実はその後も見捨てられていた被害者が後を絶たない。こうした「被害放置」を生み出す理由は何か――四大公害訴訟中最も成果を収めたとされるイタイイタイ病・カドミウム問題が抱える生々しい歴史と現状を、社会学的分析に基づき精緻に再検証し、この種の「放置」は公害問題のみならず、わが国の行政・医療・社会の暗部に横たわる広範かつ本質的な現象であることを、強烈に示唆した労作。
タイトル | 公害被害放置の社会学 |
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サブタイトル | イタイイタイ病・カドミウム問題の歴史と現在 |
刊行日 | 2007年12月25日 |
著者 | 飯島伸子・渡辺伸一・藤川賢 著 |
定価 | 3600+税) |
ISBN | 978-4-88713-800-1 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 392 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第1章 被害放置に着目する意味
第2章 イタイイタイ病の発見はなぜ遅れたのか
第3章 公害病を否定する政治
第4章 否定された公害病
第5章 予防と放置
第6章 イタイイタイ病医学研究班の社会学
第7章 富山で今、問われていること
第8章 農業被害はなぜ軽視されるのか
第9章 食品中カドミウム濃度基準の現在
第10章 イタイイタイ病をめぐる差別と被害放置
第11章 イタイイタイ病をめぐる被害構造と放置
第12章 公害被害放置の社会学
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