自己、伝統そして越境 一と多を巡る葛藤と交響
自らの「境界」探索による自己確認の行為は、同時に「越境」による自己変容への誘いだ。
現代芸術における「独自」と「多様」の激烈な相互作用。
タイトル | 芸術は何を越えていくのか? |
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刊行日 | 2009年03月08日 |
著者 | 沼野充義 編 |
定価 | 1800+税) |
ISBN | 978-4-88713-892-6 |
Cコード | 0370 |
ページ数 | 216 |
判型 | 四六 |
製本 | 並製 |
はじめに(沼野充義)
I 伝統を求めて
伝統はどのように伝えられるのか?(捷源辧)
伝統は誰のものか?(福岡正太)
伝統芸能は記録できるのか?(笹原亮二)
音楽・芸能への「思い」は記録できるか?――『大阪のエイサー』の制作と上映をめぐって(寺田吉孝)
伝統意識はどのように創出されるのか?(藤原貞朗)
[コラム]箏曲における伝統と創造(小塩さとみ)
Ⅱ 私とは何か?
人はなぜ自伝を書くのか、読むのか?(長沼行太郎)
人はなぜ、ときに「他者」を「自己」のあらわれとみなすのか?(高橋敏夫)
人はなぜ自画像を描くのか?(北澤洋子)
人はどのように自画像を描くのか?(田中正之)
陶酔する室内空間と電脳空間(柏木博)
[コラム]「わたし」と死の篩い――優生思想と文学(辻吉祥)
Ⅲ 境界を超えて
「祖国」って持ち運べますか?(楯岡求美)
都市の境界線――プラハのモニュメントをめぐって(阿部賢一)
翻訳という越境(増本浩子/ヴァレリー・グレチュコ)
「方言」は「言語」になれないのか?(寺尾智史)
文学は世界の闇をどのようにとらえるのか?(林みどり)
[シンポジウム]未来への郷愁――超え行くもの/とどまるもの
パネリスト:多和田葉子/沼野充義/細川周平、司会:楯岡求美、コメンテーター:ダヌータ・ウォンツカ/齋藤由美子
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