現代の極点を生き抜いた一思想家の全体像『責任という原理』はじめ、その目覚ましい著作活動により現代の思想状況に基底的影響をもたらしたヨナスはまた、一ユダヤ人として激動の20世紀の極点を生き抜いた生活者であった。欧州・イスラエル・北米にまたがり学生、兵士、研究者と変転した波乱の生涯を、ハイデガー、アーレント等、多くの師友との間のエピソードを交え、つぶさに語り明かした本書は、ヨナスの全体像を知る上必読の書であると共に、現代史の一面を刻印する興味溢れるドキュメントとも言えよう。
タイトル | ハンス・ヨナス「回想記」 |
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刊行日 | 2010年10月1日 |
著者 | ハンス・ヨナス著 盛永伸一郎・木下喬・馬渕浩二・山本達訳 |
定価 | ¥5280+税) |
ISBN | 978-4-88713-998-5 |
Cコード | 3010 |
ページ数 | 560 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
I 体験と出会い
第1章 戦争時代のメンヘングラートバッハでの青少年時代
第2章 栄光の夢 ―シオニズムへの道
第3章 哲学とシオニズムのあいだ―フライブルク-ベルリン-ヴォルフェンヴュッテル
第4章 マールブルク ―ハイデガーとグノーシスの呪縛圏のなかで
第5章 亡命、逃避、そしてエルサレムの友人たち
第6章 戦争の時代の愛
第7章 「最も深い語義におけるユダヤ戦争(bellum judaicum)」
第8章 破壊されたドイツを旅する
第9章 イスラエルから新世界へ―アカデミックな活動の開始
第10章 ニューヨークにおける交友と出会い
II 哲学と歴史
第11章 ハイデガーとの訣別
第12章 生命の価値と尊厳―有機体の哲学と責任の倫理学
第13章 「これらすべては言い淀むことである」―アウシュヴィッツと神の無力
第14章 ローレ・ヨナスへの教説の手紙(1944 ~ 1945)
付 録 クリスチャン・ヴィーゼによる後書き
年 表
文献目録
索引
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