今こそ全存在の未来を担う「責任という原理」へ「希望」とは、確実な裏書きもなしに、現在が未来へ向け振り出した約束手形だ。そして「持続可能な開発」などの耳障りのいい決まり文句が示すように、人類はなお「希望という原理」に浸蝕されたままだ。未来への「責任」の自覚なしに推進される「希望」は、すなわち悪しき終末への道だ。強権という前近代的な方途を超えた人類の英知糾合のため、今こそ自然に対する人類の歴史的責任を告知・論証した本書再読・熟読の時だ。
タイトル | 責任という原理[新装版] |
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サブタイトル | 科学技術文明のための倫理学の試み |
刊行日 | 2010年10月1日 |
著者 | ハンス・ヨナス著 加藤尚武監訳 |
定価 | ¥5280+税) |
ISBN | 978-4-88713-999-2 |
Cコード | 3012 |
ページ数 | 472 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第1章 人間の行為の本質は変わった
第2章 基礎問題と方法問題
第3章 目的と「存在の中での目的の位置」について
第4章 善(良さ)、当為、存在─責任の理論
第5章 今日の責任─危機にさらされる未来と進歩思想
第6章 ユートピア批判と責任の倫理訳者による解説
著作目録
参考文献
訳者あとがき
索引
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