再チャレンジ可能な仕組みを目指して万人に平等な機会を提供することは、近代教育の重要な目的の一つだった。しかし、「ゆとり教育」で公教育の質が低下する一方、受験競争は低年齢化し、子ども一人ひとりにかかる教育費負担の増大から、家庭の経済状況による教育の格差は拡大しつつある。教育格差がさらに社会格差を再生産する状況を打破するため、教育と社会のつながりを見すえた改革が必要である。本書は格差の再生産を生み出す教育制度の問題点を指摘するとともに、それに代わる再チャレンジ可能な仕組みを追求する。
タイトル | 拡大する社会格差に挑む教育 |
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刊行日 | 2010年10月1日 |
著者 | 西村和雄・大森不二雄・倉元直樹・木村拓也編 |
定価 | ¥2640+税) |
ISBN | 978-4-7989-0010-0 |
Cコード | 3037 |
ページ数 | 208 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
まえがき(西村和雄・大森不二雄・倉元直樹・木村拓也)
1章 高齢化・所得格差・教育問題(大竹 文雄)
2章 選別主義と格差(太田 肇)
3章 ゆとり教育政策による格差拡大効果と企業による雇用可能性(浦坂純子・西村和雄・平田純一・八木 匡)
4章 豊田自動織機の技術者教育(野崎 晃平)
5章 学校における職業教育の経済効果(玄田有史・佐藤 香・永井暁子)
6章 学歴社会の再構築と人材の流動化(大森不二雄)
7章 格差を拡げる入試制度はどのように始まったのか? (木村 拓也)
8章 大学入学者選抜における公平性・公正性の再考(西郡 大)
9章 大学における初年次教育の展開(山田 礼子)
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