歴史を知らずして 真の大学改革なし
東京帝国大学約75年の軌跡には日本近代大学の歴史が凝縮されている。本書の詳細な歴史分析が示すのは、帝国大学が発足時すでに内包していた様々な問題点が、以後の多くの大学の小帝国大学化と相まって、今日なお解消されていないという事実だ。それら専門蛸壺化、現場との遊離、画一化等の根本には、西洋学術における真理探究の根本的方法を学ばず、その結果の輸入のみに終始したわが国固有の病弊がある。「歴史を知らずして改革なし」との著者の断言はこの根幹を忘れた「改革」への痛烈な批判に他ならない。
タイトル | 東京帝国大学の真実 |
---|---|
サブタイトル | 日本近代大学形成の検証と洞察 |
刊行日 | 2014年12月23日 |
著者 | 舘 昭 著 |
定価 | 4600+税) |
ISBN | 978-4-7989-1268-4 |
Cコード | 3037 |
ページ数 | 320 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第一章 文部省設立以前の大学─明治初年の大学と教育行政
第二章 日本における高等技術教育の形成─工部大学校の成立と展開
第三章 帝国大学令と帝国大学の矛盾─確立期の大学行政に関する一考察
第四章 帝国大学形成期の保守と革新─大学史における森有礼
第五章 確立期の高等教育と大西祝
第六章 大正三年の帝国大学令改正案と東京帝国大学─奥田文政下の学制改革問題
第七章 帝国大学制度調査委員会に関する一考察
第八章 連合工業調査委員会「工業教育刷新案」と東京帝国大学工学部「学制改革」
第九章 日本における大学学年暦の変遷
第一〇章 企業と大学―戦前の素描
第一一章 日本高等技術教育政策史試論──戦前編
第一二章 大学改革と日本の近代大学Ⅰ 近代大学の形成
第一三章 大学改革と日本の近代大学Ⅱ 戦前日本の大学改革
事項索引/人名索引
関連書籍