文学者として、政治家として、何故かくも長く生きえたか?この人を嫌い、保守派、タカ派、右翼、ナショナリストと気分で論断するのはたやすい。だが、政治活動と文学作品に現れ出る「行為主義」「青年主義」「この国主義」「科学技術立国主義」「利益政治家批判主義」、どれも現実と激突して生じる「亀裂」を怒りと嫌悪を全開し超越する透徹した石原慎太郎原理(論理、哲学)に支えられている。半世紀を超える弁証法的航跡をたどりながら、日本の行く末を大胆に考える。著者十数年にわたる研究の大作。
タイトル | 石原慎太郎の社会現象学 |
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サブタイトル | 亀裂の弁証法 |
刊行日 | 2015年6月5日 |
著者 | 森元孝 |
定価 | ¥5280(本体¥4800+税) |
ISBN | 978-4-7989-1278-3 |
Cコード | 3036 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第一章 ポピュリズムに抗して
一、政治家ポップチャート
二、選挙民のリソース
三、価値紊乱の見出し語
四、作品群の帰属点
第二章 反哲学的省察
一、生の意味
二、宗教社会学を凌駕して
三、多元的現実に抗して
第三章 疎ましい他者
一、嫌悪という情念
二、『化石の森』
三、『嫌悪の狙撃者』
四、物欲への復讐
第四章 人と仕事
一、科学技術と政治
二、政治
三、「NO」と言えた時
四、「NO」と言える人
五、政治思想と思想
第五章 恋愛と人生
一、恋愛ゲーム
二、成功と恋愛
三、人生航路の指針
第六章 行為と感覚
一、行為のジャイロ
二、身体感覚の限界域
三、身体と言語
四、喪失と再生
第七章 人と政治
一、公人と行動
二、政治と愛国
三、孤高の選択
第八章 国の形象
一、映像という媒体
二、言葉という媒体
三、反古典主義の誠実性
四、天使は再び羽ばたくか
第九章 日本の星と舵
一、艇としての政党
二、プルトクラシーに抗して
三 、指導者民主主義の風
第一〇章 亀裂のリアリズム
一、理論と実践
二、リベラルとナショナル
三、ネーションのメタモルフォゼ
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