世界の危機縮減へ向けた新たな理論的挑戦
社会における不確実性の縮減と恒常的な完全雇用の達成―その鍵は、集合的アイデンティティ圏としての東アジアへの共通通貨の導入に有る。共通通貨は、対立と摩擦を防ぎ、社会を安定へと導き、この地域に運命共同体を創る。媒体としての貨幣を通して経済学、政治学および哲学の知を全体論として融合し、「マルクス」の道や「ハイエク」の道に対し、グローバル時代における「中道」を提示する新た場理論的挑戦の書。
タイトル | 貨幣ゲームの政治経済学 |
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刊行日 | 2015年6月25日 |
著者 | 柳田辰雄 |
定価 | ¥2200(本体¥2000+税) |
ISBN | 978-4-7989-1304-9 |
Cコード | 3033 |
ページ数 | 224 |
判型 | 四六 |
製本 | 並製 |
はじめに
1章 貨幣ゲームとしての社会
1 複雑な社会
2 貨幣を媒体とする貨幣ゲーム
2章 自由論の系譜
1 普遍的な価値
2 自由主義の変容
3 神の前における自由から世俗的自由へ
4 ヒュームの自由主義
5 消極的自由としての自由放任
6 功利主義と社会進化論
7 政府による強制からの自由
3章 ケンブリッジにおける日常言語学派
1 コモンセンス(常識)学派
2 大陸の哲学とケンブリッジ
4章 ケインズ『一般理論』の問題意識と方法論
1 論理実証主義を超えて
2 『一般理論』の方法論
3 言語ゲーム論
4 有機体的に統一された社会
5 慣習的判断と期待の脆弱性
5章 国家における経済体系
1 国家における経済
2 推計値としての国民所得
3 国民経済計算体系
4 産業連関表
6章 有効需要と雇用
1 需要と供給の調整
2 有効需要の原理
3 経済成長率と寄与率
4 歳入と歳出
5 財政の持続性
7章 管理通貨制度の下での銀行業
1 紙幣の登場
2 貸し手と借り手
3 代理人としての銀行
4 政策変数としての貨幣供給量
5 貨幣需要
6 貨幣供給量の内生性
7 銀行経営の安定化
8 銀行における資本規制
8章 株式会社と設備投資
1 組織としての株式会社
2 投資収益率と株式
3 貸借対照表と総価値
9章 国境を越える経済統合下での各国の雇用調整
1 一九八〇年代のアメリカにおける失業の拡大 155
2 プラザ合意と日本経済
3 一九八六年以降の日本における金融緩和
4 貨幣供給量の内生性
5 ワシントンコンセンサス
6 地域統合のうねり
7 欧州連合と共通通貨ユーロ
8 先進諸国の所得格差の推移
10章 新たな貨幣ゲームへ
1 世界的な金融危機と政策
2 不確実性をます国際経済
3 新たな規制と政策への模索
4 社会における不確実性の縮減のために