新たな協働授業は学生をどう変えたか
授業は学生への知識提供の場という、教員の多くが抱いている 通念は今や破綻しつつある。今日の学生は知識と共に、むしろ知 識以上に、自己を刷新へと導く未知の起動力と体験を大学に求め ているのだ。教員だけでなく学外からの授業協力者・見学者、さ らに学生自身も隔てなく発言・参画しうる新たな協働授業形態は、 学生はじめ参加者をどう変えたか―本書は、この劇場型授業の実 践記であると共に、内容、意義、将来展望等、当事者 21名を結 集した貴重な論考集である。
タイトル | CT(授業協力者)と共に創る劇場型授業 |
---|---|
サブタイトル | 新たな協働空間は学生をどう変えるのか |
刊行日 | 2015年12月10日 |
著者 | 筒井洋一・山本以和子・大木誠一 編著 |
定価 | ¥2200(本体¥2000+税) |
ISBN | 978-4-7989-1325-4 |
Cコード | 3037 |
ページ数 | 216 |
判型 | A5 |
製本 | 並製 |
はじめに (筒井洋一)
第1章 共感でつながるオープンな大学の教室
1.大学の教室(授業)の現状と課題とは何か? (筒井洋一)
⑴共感の戦略
コラム①:大学教育にイノベーションをもたらした「グループワーク概論」(戸田千速)
2. 課題から見えてきた新たな授業スタイル(筒井洋一)
コラム②:学生一人一人に向き合うことで見えてきた「カオス」な授業の魅力 (柳本英里)
コラム③:まるっとーく in 綾部―グループワーク概論から広がる対話の場―(遠藤 龍)
第2章 学生が学びたくなる授業の工夫
1.授業の秘密を解き明かす(筒井洋一)
⑴学外からの参加者が加わる授業公開
⑵見学者による授業評価
⑶授業に対する質問に答えて
2.授業に関わるステークホルダーの役割と機能
役割1:授業協力者(Creative Team: CT)
⑴共創感のある授業 ―「受ける」授業から「創る」「共に創る」授業へ― (桑原恭祐)
コラム④:あいさつが授業に入るチェックイン―名札係の重要な役割― (水口幹之)
コラム⑤:パーソナリティー特性「ビックファイブ」(大木誠一)
⑵ちょこっと前にいる大人の視点から、授業に関わる大切さを伝えた― 仲間を知り、共に成長する空間を 創るための piece―(出町卓也)
コラム⑥:初めて CT が学生に認められた 10 分間 (矢野康博)
⑶みんなといっしょに、学びを楽しむ (吉田美奈子)
コラム⑦:CT を志願した動機と続けられた理由 (小西真人)
役割2:授業参加者・見学者
⑴最多回数授業参加者(見学者)が見た―教室内の『ヒト』の関係性が意欲を高める―(松尾智晶)
コラム⑧:インストラクショナルデザインの活用(坂井裕紀)
⑵学習環境の端から支援する授業参加者(見学者)(坂井裕紀)
コラム⑨:授業をゲーム風に味付け!?(三浦祥敬)
コラム⑩:ゲーミフィケーションの活用 (坂井裕紀)
第3章 アクティブ・ラーニングを促進する新しい学習評価
1.第三者による対話型リフレクション(大木誠一)
⑴第三者による対話型リフレクションとは
⑵対話型リフレクションの具体的な流れと内容の検討
⑶グループワーク概論の構造と対話型リフレクション
⑷対話型リフレクションを媒介として拡張した学びあいの場
コラム⑪:転移(transfer)とは? (大木誠一)
2.学びの意識と学びの場を改善するリフレクション (大木誠一)
⑴はじめに
⑵Midterm Student Feedback(MSF)
⑶MSF の事例
⑷まとめ
コラム⑫:教えるのではなく、「学び合う」(霧嶋 舞)
3.次につながる主体的な学びを促すリフレクション(山本以和子)
⑴学生の学びに対する問題意識
⑵ティーチングからラーニングへ
⑶主体性を持たせるリフレクション
⑷多様なリフレクションの方法
コラム⑬:アサーショントレーニング(小西真人)
方法 1.コーチングで次の学びをデザインする (坂本祐央子)
コラム⑭:見学者を巻き込め!授業は学びのコミュニティづくりと心得よ(水口幹之)
方法 2.次の挑戦を生み出すファシリテーション (芳本賢治)
コラム⑮:クリッカーのシステムをつかった、スマートフォンによるリフレクション方法 (田口 晋)
コラム⑯:メディアを使ったリフレクション―メタのメタから―(加藤尚子)
第4章 劇場型授業スタイルと未来の教育への萌芽
1.劇場型授業スタイルの概念 (山本以和子)
⑴社会化された生涯学習者の資質と力
⑵資質や力を授業でどのように表現するか
⑶劇場型授業スタイルの誕生
コラム⑰:CT は、“何者”!?(桑原恭祐)
2.筒井実践の課題と可能性―大学教育のイノベーションに繋げるために― (佐藤浩章)
⑴授業設計の二つのアプローチ
⑵教員に求められる教育上の専門性
⑶集合知と即時改善
3.劇場型授業の可能性とそれを支える枠組み(大木誠一)
⑴劇場型授業の可能性
コラム⑱:反転授業は、未来の学びの第一歩 (筒井洋一)
おわりに (筒井洋一)
さらに学びたい人のための書籍リスト
執筆者紹介