芸術作品から日常経験まで―画像と知覚をめぐる総合的考察
メディアの発達と相まって多種多様な「画像」が日常を覆い尽くすように広がり、今や我々は画像を通じて世界を見ているとさえ言えよう。だが現物とは異なる画像の中に、我々はなぜ「現物」を見ることができるのか―本書は、この画像本来の「虚構性」、見ることと概念の綜合が生む「像意識」、知覚・感覚作用が持つ「志向性」等、画像が孕む今日的問題群をめぐり、絵画はじめ芸術作品から様々の日常体験まで、多角的に分析・考察した力作論集である。
タイトル | 画像と知覚の哲学 |
---|---|
サブタイトル | 現象学と分析哲学からの接近 |
刊行日 | 2015年12月16日 |
著者 | 小熊正久・清塚邦彦 編著 |
定価 | ¥3190(本体¥2900+税) |
ISBN | 978-4-7989-1326-1 |
Cコード | 3010 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第1部 画像とは何か
1 画像表象と中立性変様―フッサールにそくして(小熊正久)
2 受動的経験としての像経験─フッサールから出発して(田口 茂)
3 演劇としての『像』―像の発生的現象学の観点から(伊集院令子)
第2部 絵画と芸術作品について
4 絵の中に見えるもの―見えるものと描かれたもの(清塚邦彦)
5 絵画の知覚経験―メルロ=ポンティ『眼と精神』を手がかりにして(國領佳樹)
6 人間は「自画像」としての絵画に溢れた世界を生きる身体である―後期メルロ=ポンティ絵画論の位相(西岡けいこ)
7 サルトルの「芸術作品とは非現実的存在である」という主張をどのように受け止めるべきか(森 功次)
第3部 知覚について
8 カテゴリー的直観再訪─知覚的正当化の問題をめぐって(佐藤 駿)
9 経験における概念のゆくえ(村井忠康)
10 芸術鑑賞と知覚的カテゴライズ―ウォルトンの「芸術のカテゴリー」をめぐって(源河 亨)
11 アスペクトの転換において変化するもの―ウィトゲンシュタインの二つのアスペクトの分析を通じて(山田圭一)
12 痛みの経験は志向的か(小草 泰)
13 時間意識を介しての感覚と意味―フッサールの知覚論の動向(小熊正久)
関連書籍