日本の教育は変えられるか?―教育の総合的デザイン第3弾
教科目の時代遅れ、教育方法の非創造性、教育の多忙化、親の過剰反応、子ども・若者の意欲希薄など様々な今日的教育課題が連発する中、何から、どう手をつけていくか?教育行政のあり方をはじめ、教員養成改革、教育格差是正、地方教員の活性化等、広く教育システムと学習各分野にわたり、問題点診断から解決方途へと軸足を進めた本書は、日本教育刷新の新たなリアリティを描き出し、教える者、学ぶ者双方に大きな希望をもたらすだろう。
タイトル | 日本の教育をどうデザインするか |
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刊行日 | 2016年6月30日 |
著者 | 村田翼夫・上田 学・岩槻知也編著 |
定価 | ¥3080(本体¥2800+税) |
ISBN | 978-4-7989-1344-5 |
Cコード | 3037 |
ページ数 | 312 |
判型 | A5 |
製本 | 並製 |
序 本書のねらい(村田翼夫・上田 学・岩槻知也)
第Ⅰ部 教育システムをめぐるデザイン
第 1 章 教育行政の将来的展望(上田 学) ―地域に根ざした教育の確立に向けて
1 はじめに
2 戦前の教育行政の特質
3 戦後の教育改革時における教育行政制度のねらい
4 国の責任の強調—中央集権化への動き
5 地方分権の流れと集権的教育行政の見直し.
6 首長主導による教育行政への流れ
7 地教行法の改定
8 教育行政の将来的展望―今後の方向性への提言
第 2 章 教員養成の今日的動向と将来のデザイン(谷川至孝)
1 はじめに
2 戦前の師範教育から戦後の二大原則へ
3 免許基準の引き上げと二大原則
4 「理論と実践の融合」と二大原則
5 終わりに:これからの教員養成のデザイン
第 3 章 多文化共生社会における教育のあり方(村田翼夫)
―個別指導の確立・アジア市民の育成を目指して
1 多文化教育の現状と課題
2 多文化教育、アジア市民教育の試み
3 多元的教育システムの構築
第 4 章 日本型インクルーシブ教育システムの構築(井坂行男)
1 特別支援教育の現状と課題
2 インクルーシブ教育システムの構築
第5 章 青年教育のあり方の再検討(岩槻知也)
―「社会的困難を有する若者」を中心にして―
1 はじめに―問題の所在
2 「社会的困難を有する若者」とは誰か―マクロな調査の結果から
3 社会的困難を有する若者の学習支援とは何か ―若者支援団体の事例調査から
4 若者学習支援の制度化に向けて―イギリスの取り組みに学ぶ
第 6 章 ボランティア活動の新たなデザイン(内海成治)
―日本とケニアの教育をめぐる事例から―
はじめに
1 東北にて
2 H中学校の生徒による避難者支援
3 T高校の防災ボランティアと防災科学科
4 K高等学校の途上国への数学教育支援
5 カクマ難民キャンプでのNGOによる教育支援
6 考察とまとめ
第Ⅱ部 学習分野をめぐるデザイン
トピックス1. 学習指導要領改訂の動向(山口 満)
第7 章 現代の教育改革における道徳教育(堤 正史)
―民主主義的道徳と型の教育との関連で―
1 道徳教育の二形態とその課題
2 道徳教育改革を検証する―新自由主義と新保守主義
3 これからの道徳教育に求められること
第8 章 多文化社会における宗教教育(宮崎元裕)―寛容さと論理性を基調として―
1 宗教教育をめぐる状況
2 他宗教を尊重するイギリスの宗教教育
3 日本の宗教文化教育
4 今後の日本における宗教教育のあり方
第9 章 歴史教育のあり方(佐野通夫)―人が生きる歴史・「地域史」から考える―
1 歴史教育の課題
2 日本の現状
3 歴史教育の主要な問題点―欠けている「なぜ」という問い
4 これからの歴史教育―他者とともに「歴史」を読む
トピックス2. 子どもの理科嫌いは教師の理科嫌い?(内海博司)
トピックス3. 放射線とお化け(内海博司)
第10章 ICTを活用した学習環境のデザイン(久保田賢一)
―21世紀に求められる能力の育成―
1 テクノロジーの発展と社会の変化
2 21世紀に求められる能力
3 アクティブ・ラーニング
4 未整備なICT学習環境
5 ICT活用の負の側面
6 教育の情報化ビジョン
7 世界のICT教育の潮流
8 ICTを活用した学習環境をデザインする—長期的な展望
9 まとめと展望
第11章 美術教育の新しい創造性に向けて(山野てるひ)
―文化芸術立国中期プランから考える―
1 はじめに
2 文化芸術立国中期プランと小・中学校の図工・美術教育の現状
3 文化芸術立国施策の背景
4 日本の子どもの芸術活動の様相
5 子どもの芸術活動の実態から見えてくるもの
6 “Art in Education”を手がかりに、明日の学校美術教育をデザインする
第12章 学校体育の将来像(森 博文)―子どもの体力向上と健康の増進を目指して―
1 子どもの体力や健康をめぐる現状
2 学習指導要領の変遷と学校体育
3 子どもの危機的状況への対応
トピックス4. TOKKATSU(山口 満)
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