《主権者》が育つ大学教育と大学生協の新しい展開
いま大学でもっとも重要なのは、真理を明らかにすることと、社会を担う《主権者》として学生が育つ教育だ。そのため、主体的な学びに転換した教育に加え、学生中心の協同で運営する大学生協の活動は、主権者学習機関として大きな価値を持つ。本書は、著者長年の生協体験をつうじて、企業中心の経済と今日の政治を変え、協同組合やNPOなどと連携しつつ、主権者の民主協同社会へと進む展望を切り拓いた労作で、大学教職員と生協職員はもちろん、地道に歩む若者たちに大きな励ましを与えるだろう。
タイトル | 主権者の協同社会へ |
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サブタイトル | 新時代の大学教育と大学生協 |
刊行日 | 2016年7月15日 |
著者 | 庄司興吉 |
定価 | ¥2640(本体¥2400+税) |
ISBN | 978-4-7989-1373-5 |
Cコード | 3036 |
ページ数 | 256 |
判型 | A4 |
製本 | 並製 |
目 次
はしがき
序 新時代の大学教育と協同行動
Ⅰ 学習・研究・教育から協同行動へ
1 懐かしい思い出―ソ連・T大・大学生協
2 サッチャー・レーガン・中曽根からブッシュ・ブレア・小泉へ
3 地方と大学―「自治」を誇った2つの「聖域」
4 生協は生き残れるか?
5 初心に帰って協同行動を!
Ⅱ これからの社会と大学および協同行動
1 人はなぜビジョンとアクションプランを必要とするか?
2 ビジョンとアクションプランのための状況分析
3 グローバル化のなかで格差社会化する日本
4 「自立」を迫られ、経営努力を強いられる大学
5 少子高齢化で内部構成を変える学生・院生・留学生・教職員
6 新しい生き方を模索する協同行動の課題
Ⅲ 大学と大学生協の21世紀ビジョンと背後仮説
1 ビジョンとアクションプランを持って生きる
2 グローバル化の時代
3 協同の意味の再考と再生
4 大学における協同行動の固有性と役割
Ⅳ 大学教育の再発見―新帝国的身体形成と協同的身体形成
1 教育のカウンセリング化?
2 食の面から身体形成を革新する
3 チームづくりとしての協同を手がかりに
Ⅴ 教職員から見た大学教育と協同行動
1 グローバル化と大学教育および協同行動の課題
2 世界的民主化のなかでの大学教育と協同行動の意義
Ⅵ 大学教育改革における教職員・学生と協同行動
1 初心にかえって協同から
2 アジアのモデル・世界のモデルに!
3 大学生協の情報的自立と学官産連携の方向
4 高度市民の育成と協同行動の意義
5 若き主権者の事業としての大学生協
6 大学教育改革と協同行動の積極的意義
Ⅶ グローバル化のなかの大学と協同行動
1 日本的新自由主義への対抗としての大学における協同
2 大転換の仕上げとしての世界的市場化と社会的経済および大学・大学生協
3 労働・大学・地域のグローバル化と協同行動
4 ポストコロニアル・アジアと文化としての協同行動
Ⅷ 危機と変革の時代の大学と協同行動
1 世界的な危機と変革のなかの協同組合と大学生協
2 歴史を創る―人間・民主社会・大学教育と協同行動
3 協同組合の新たな意義と大学および協同行動
4 歴史観の再建をふまえて大学から協同組合憲章へ
Ⅸ 萎縮社会から民主協同社会へ
1 萎縮社会の克服―理論的な主張を情熱的なもので補強する!
2 ネット上に広がる大学教育と情熱的協同の重要性
3 新しい歴史観・社会観と大学および大学生協―民主社会から協同社会へ
4 民主協同社会に向けての大学生協の貢献
Ⅹ 大学教育の活性化と協同行動
1 若き主権者の事業としての大学生協・再論
2 大学教育の活性化に大学生協を生かす!
文 献
初出一覧
事項索引
人名索引