なぜ私たちは子どもに絵を描かせてきたのか――児童の「感受性」と「創造性」の起源を問う
神林恒道氏(日本美術教育学会会長)推薦!
成熟していく近代社会のただなかで児童美術教育が整備されていった19世紀半ばから、今日の「創造的で感受性豊かな子ども」のイメージが確立されるまでのヨーロッパの動向を、子どものドローイングを中心に代表的な11人の言説を訳出することによって浮かび上がらせる。子どもに絵を描かせることの意味を、職能訓練、道徳教育、そして「自発性」や「想像力」といった観点から根源的に問い直すための出発点となる西洋児童美術教育思想史とも言える労作である
タイトル | 西洋児童美術教育の思想 |
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サブタイトル | ドローイングは豊かな感性と創造性を育むか? |
刊行日 | 2017年5月25日 |
著者 | 要真理子・前田茂監訳 |
定価 | ¥3960(本体¥3600+税) |
ISBN | 978-4-7989-1428-2 |
Cコード | C3037 |
ページ数 | 440 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第1 章 リチャード・セント・ジョン・ティリット―道徳教育としてのドローイング
第2 章 コッラード・リッチ―美術史による「児童美術」の発見
第3 章 ベルナール・ペレ―子どもの認知能力とドローイング
第4 章 トーマス・アブレット―ドローイングの「一般教育」化
第5 章 スーザン・ブロウ―子どもの神的な想像力への寄り添い
第6 章 エベニーザー・クック―外なる自然から子どもの内なる自然へ
第7 章 ジェイムズ・サリー―「プリミティヴ」としての原始・未開・子ども
第8 章 フランツ・チゼック―子どもの無垢なる創造性を拓く
第9 章 ロジャー・フライ―モダンアートによる児童美術の再定義
第10章 マリオン・リチャードソン―観察(外的自然)と自由(内的自然)の間で
第11章 リチャード・シフ―社会史のなかの子どものドローイング
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