「素質教育」は教育機会の平等をもたらしたか?
-わが国の教育改革が同じ轍を踏まないための、重要な実証研究!
中国では、熾烈な進学競争と共に、教育機会の格差化という社会構造上の課題を生み出した「応試教育」(受験勉強のための詰め込み教育)への批判として、80年代半ばから「素質教育」という新しい学力観に基づく教育改革が、国家主導の下で取り組まれてきた。本書は、中国の大都市、中都市、農村の各学校において実践された素質教育の事例分析を通し、教育格差を是正するはずの素質教育は「応試教育化」し、かえって教育格差を維持・拡大させてしまっているメカニズムを有していたことを明らかにする。「新しい学力観」など理念だけが先走るわが国の教育改革にも示唆を与える、重要な実証研究である。
タイトル | 中国の素質教育と教育機会の平等 |
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サブタイトル | 都市と農村の小学校の事例を手がかりとして |
刊行日 | 2018年11月 |
著者 | 代 玉 |
定価 | ¥6380(本体¥5800+税) |
ISBN | 978-4-7989-1510-4 |
Cコード | C3037 |
ページ数 | 512 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
序章 はじめに
第1章 素質教育の検討
第2章 素質教育政策の検討
第3章 先進地域における上海市の事例
第4章 非先進地域におけるN省L市の都市部の事例
第5章 非先進地域におけるN省L市の農村部の事例
第6章 素質教育の実践にて生じた「教育機会の不平等」のメカニズム
終章 終わりに
参考文献
索引
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