日本文化論の旅は続く――。
個の生死によって、社会は常に再構成されてゆく。
ゆえに、われわれの住む社会は流動的だ。
対象が流動的であるという点において、わが国の社会をみつめる知的営為はこれからも間断なく続けられるだろう。
果たして、その中になお息づく、不変的な日本文化の「型」はあるだろうか。
あるとすれば、それはいかなるものだろうか。
著書『日本文化試論』に当てられた種々の書評への応答を通し、自身の日本文化論を再展開させる本書は、日本文化の本質を際限なく追及するという副田社会学の確固たる視座をも傍証している。
タイトル | 『菊と刀』ふたたび |
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サブタイトル | 副田義也社会学作品集第Ⅵ巻 |
刊行日 | 2019年2月4日 |
著者 | 副田義也 |
定価 | ¥5060(本体¥4600+税) |
ISBN | 978-4-7989-1525-8 |
Cコード | C3336 |
ページ数 | 424 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
1| 書評セッション「『菊と刀』ふたたび」
書評とはなにか 副田義也
関説する文体への疑問 橋爪大三郎
本歌どりの社会心理学―才子に答える 副田義也
『日本文化試論』をめぐる若干の私論 井上忠司
町人文化の伝統―大人に答える 副田義也
ベネディクトにおける「関係体」の倫理―副田『菊と刀』論との連関において 濱口惠俊
対抗の論理―俊秀に答える 副田義也
社会関係とEthos 田中義久
民衆は信頼に価いするか―畏友に答える 副田義也
学校教育とナショナリズム―歴史的素描 副田義也
自分さがし―私自身に答える 副田義也
書評・『菊と刀』を本歌とし著者独自の日本文化論を展開する 折橋徹彦
書評子への感謝 副田義也
2| 現代における人間―欲望と認識についての断章
3| ナショナリズム・ノート
4| 北川隆吉とマルクス主義社会学
5| 日本社会学のジンメル体験・断章―清水幾太郎のばあい
6| 日本社会学におけるジンメル体験・断章―新明正道のばあい
7| あとがきにかえて―恥の文化 R・ベネディクト『菊と刀』
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