タイトル 「主体的・対話的で深い学び」の理論と実践
刊行日 2019年05月31日
著者 遠藤孝夫編著
定価 ¥2860(本体¥2600+税)
ISBN 978-4-7989-1560-9
Cコード 3037
ページ数 280
判型 A5
製本 並製

教科や教育領域を横断した、普遍的な「主体的・対話的で深い学び」の方途を追及する!
2020年度から小学校で、2021年度から中学校で「主体的・対話的で深い学び」を軸とした新しい学習指導要領の完全実施が始まる。しかし、今日行われている「主体的・対話的で深い学び」に向けた教育実践は、個々の教科・教育領域の中での閉鎖性や、実際の教育効果検証の欠如などの課題を抱えており、それは教育学の研究分野においても例外ではない。本書はこうした課題に応え、教育領域を問わない普遍的な「主体的・対話的で深い学び」の理論的土台の構築に加え、プログラミング教育やVR教材などの新教育も含めた各教科教育の実践事例を通し、「主体的・対話的で深い学び」のより具体的なあり方を指南した一冊である。

目次/「主体的・対話的で深い学び」の理論と実践

序 言 ―本書の意図・特質・概要 遠藤 孝夫 
1.本書の意図
2.本書の特質
3.本書の概要

第1部 総論編:「深い学び」に関する政策的・理論的・心理学的検討
第1章 「主体的・対話的で深い学び」とは―その内容と課題 田代 高章
1.はじめに
2.前提としての「生きる力」と「学力」理解の継承
3.新学習指導要領全体の特徴
4.授業改善の視点:「主体的・対話的で深い学び」について
5.おわりに

第2章 アクティブラーニングを構成する諸理論からみる「主体的・対話的で深い学び」の実践上の注意  馬場 智子 
1.はじめに
2.学問に基づく教育研究
3.問題基盤型学習
4.協同学習と協働学習
5.「主体的・対話的で深い学び」を学校で実践する際の留意点

第3章 対話的な学びに伴う「想起」の学習促進効果―教育実践への応用に向けて 岩木信喜・髙橋功・田中紗枝子・山本奬 
1.はじめに
2.想起の学習促進効果
3.想起効果の特徴:複合要因の分析
4.仲間との相互テストの有効性:予備的検討
5.学習法としてのテストに関する実施上の留意点
6.まとめと今後の課題
7.おわりに

第2部 各論編:「深い学び」による授業改善の実践とその教育効果の検討
第4章 新しい教育課題における「深い学び」の視点に立った授業実践とその教育効果―プログラミング教育を事例として 宮川 洋一
1.はじめに
2.本章におけるプログラミング教育の位置付け
3.実践のデザイン
4.「主体的・対話的で深い学び」の実践と検証
5.おわりに

コラム1 道徳教育とアクティブラーニング―哲学対話を取り入れる試み 宇佐美 公生

第5章 教科書がない授業における「深い学び」の授業実践とその教育効果―中学校の保健体育を事例として 清水 将 
1.はじめに
2.資質・能力の構造と教科保健体育に期待される学び方
3.よい体育授業とは
4.体育の授業づくり
5.体育の授業改善
6.主体的・対話的で深い学びの観点からの授業改善
7.体育の特性を活かした主体的・対話的で深い学び
8.おわりに
第6章 「メタ認知」を活用した「深い学び」の授業実践とその教育効果―理科教育を事例として 久坂 哲也 
1.はじめに
2.中学生は理科の学習を通して何を学んだと考えているか
3.理科における「深い学び」の実現に向けて
4.科学的探究活動とメタ認知
5.実践事例1:理科の予想場面に着目した授業実践と評価
6.実践事例2:理科の考察場面に着目した授業実践と評価
7.おわりに

コラム2 VR(バーチャルリアリティー)コンテンツの教育への活用―理科教育におけるVR教材の開発と授業実践 名越 利幸 

第7章 特別な支援を必要とする生徒への「深い学び」の授業実践とその教育効果―高等学校の数学指導を事例として 中村 好則 
1.はじめに
2.特別な支援が必要な生徒が多く在籍する高校の数学指導の現状
3.「対話型アクティブ・ラーニング」による数学指導
4.「対話型アクティブ・ラーニング」による数学指導の短期的効果と長期的効果
5.「対話型アクティブ・ラーニング」による数学指導の有効性
6.おわりに

第8章 算数・数学科における「深い学び」と授業改善の視点 立花 正男 
1.はじめに
2.深い学びとはなにか
3.算数・数学の授業の問題点
4.座標の学習における深い学び
5.見取図の読み取りについての調査
6.深い学びの授業の実践例
7.おわりに

コラム3 学びを深く―9年間の学部GPによる授業研究から見えてきたこと 山崎 浩二 

第9章 国語教育における「深い学び」による授業改善の視点 ―古典教材『竹取物語』の教科書表記から考える 田中 成行
1.はじめに
2.古典教材『竹取物語』の原文引用の課題と意義 
3.中・高の教科書の内容の比較と原文引用箇所の提案
4.『竹取物語』と共に「歌の力」を学ぶ『古今和歌集』
  仮名序の学習の提案
5.おわりに

コラム4 社会科教育に関連して―『山びこ学校』から考える 土屋 直人 

あとがき/索 引/執筆者紹介 

関連書籍
ページ上部へ戻る