学力形成論における新たなパラダイム
「ゆとり教育」とも「詰め込み」教育とも異なる、学力形成論における新たな展開とは何か。連邦・州政府主導により「スタンダードに基づく改革」に邁進してきた現代アメリカにおける新動向―トップダウン固有の弊害を緩和し、よりローカルな現場を主体として展開しつつある「教育目標の分類学(タキソノミ―)」や「真正の評価」論等、より高次の学力形成をめざす理論と実践の紹介・考察を通じ、わが国の教育研究・実践にも大きく示唆する労作。初版刊行後4年間の目標・評価研究の新局面をふまえ、前増補版では、新たに三論考を追加。さらに今回刊行の【再増補版】では四論考を増補し、日本の学校文化と米国の知見とを統合し、日本の教育実践に確かな展望を提示する。
タイトル | 現代アメリカにおける学力形成論の展開〔再増補版〕 |
---|---|
サブタイトル | スタンダードに基づくカリキュラム設計 |
刊行日 | 2020年4月15日 |
著者 | 石井英真 |
定価 | ¥5280(本体¥4800+税) |
ISBN | 978-4-7989-1619-4 |
Cコード | 3037 |
ページ数 | 533 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
再増補版への序文
増補版はしがき
はしがき
序章
第1部 ブルーム・タキソノミーの開発とその後の展開
第1章 ブルーム・タキソノミー開発の意義と課題
第2章 スタンダード運動の展開とパフォーマンス評価論の誕生
第2部 「改訂版タキソノミー」によるブルーム・タキソノミーの再構築
第3章 L.W.アンダーソンらによる「改訂版タキソノミー」の開発─知識と認知過程の二次元構造の提案─
第4章 「改訂版タキソノミー」の提起する新たな課題─メタ認知の教育目標化─
第3部 思考教授研究におけるタキソノミー研究の展開
第5章 R.J.マルザーノらによる思考教授のタキソノミーの開発─「学習の次元」の検討─
第6章 思考教授研究における情意目標論の展開─「性向」概念に焦点を当てて─
第7章 R.J.マルザーノらのスタンダード設定論の検討─McREL データベースに焦点を当てて─
第4部 教育目標・評価論の諸系譜とそれをめぐる論争点
第8章 G.ウィギンズらの「理解をもたらすカリキュラム設計」の検討─「知識の構造」を中心とした教育目標・評価論の系譜─
第9章 「真正の学習と学力」をもたらす教育目標・評価論の構想
終 章
補論 スタンダードに基づく教育改革の再定義に向けて─ NCLB 法以降の展開を中心に─
付論Ⅰ 教室の内側からの評価改革 ─「学習のための評価」論とネブラスカ州の評価システムに焦点を当てて─
付論Ⅱ 高次の学力の質的レベルを捉える枠組み ─N.L. ウェブの「知の深さ」を中心に─
付論Ⅲ ポスト近代社会をよりよく生きていくのに必要な資質・能力─学校教育で追求すべき目標の全体像の分類と構造化─
付論Ⅳ 「見方・考え方」概念の活かし方─教科教育の現代的課題─
付論Ⅴ 「基礎・基本」を豊かに学ぶ授業の創造─M . ランパートの計算指導に学ぶ─
付論Ⅵ 教育の主体化機能と社会化機能をめぐる論争点―「教科する」授業論への批判を手がかりに―
付論Ⅶ 教育実践の論理から「エビデンスに基づく教育」を問い直す―教育の標準化・市場化の中で―
引用・参考文献一覧/ 資 料/ あとがき/事項・ 人名索引