揺蕩う国際法――その現在を俯瞰する。
【坂元茂樹・薬師寺公夫両先生 古稀記念論文集1】
わが国の国際法学を牽引し続けている坂元茂樹・薬師寺公夫両先生が古稀を迎えられたことを記念し、両先生との関わりの深い研究者たちが集結した。そうして編まれた本論集は、国際法の幅広いテーマを包括した全2巻・9部構成・52論考を編纂・収録した比類なき大著となった。国際法の緻密な理論とそれに係る実際的側面の双方を捉えることに妥協しない両先生の古稀を記念するにふさわしい、野心に満ちた珠玉の論集である。
タイトル | 現代国際法の潮流Ⅰ |
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サブタイトル | 総論、法源・条約、機構・経済、海洋、南極・宇宙 |
刊行日 | 2020年11月15日 |
著者 | 浅田 正彦・桐山 孝信・德川 信治・西村 智朗・樋口 一彦編集 |
定価 | ¥9240(本体¥8400+税) |
ISBN | 978-4-7989-1661-3 |
Cコード | 3032 |
ページ数 | 536 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
はしがき
引用文献略語一覧(洋文献)
執筆者紹介
総 論
・現代国際法の変容とその意義 (岩沢雄司)
・個別化への対応としての国際法の一般化 (兼原敦子)
・グローバル化社会における司法権の役割 (手塚崇聡)
―国際法規範との「対話」の要因と要請―
・人権条約実施機関による国家との対話と国内実施 (德川信治)
・東欧におけるポピュリズム政権の台頭と『法の支配』 (西片聡哉)
―司法権の独立の保障を中心に―
法源・条約
・動態的プロセスとしての慣習国際法 (松井芳郎)
―その変更をめぐって―
・慣習国際法の形成論(山田卓平)
―ILC の作業についての国家意見を素材として―
・条約法条約における「事情変更の原則」(中野徹也)
・国際法上の刑事管轄権免除をめぐる条約法の問題について(水島朋則)
―バシル事件における国際刑事裁判所上訴裁判部 2019 年判決を素材として―
機構・経済
・国連と「市民社会」 (窪 誠)
・国連における行政裁判所制度の確立 (黒神直純)
・国連安保理の制裁に対する人権適合的解釈 (加藤 陽)
・条約法と国際組織の相互作用に関する序論的考察(植木俊哉)
―条約法の国際組織に対する作用と国際組織の条約法に対する作用―
・世界銀行のアカウンタビリティの新局面 (佐俣紀仁)
―環境社会フレームワーク制定とそのインスペクションパネルへの影響―
・国家安全保障を根拠とする対内直接投資の規制に関する一考察(河野真理子)
海 洋
・国連海洋法条約第 121 条 3 項をめぐる国家実行とその類型化(加々美康彦)
・海洋境界画定前の共同開発交渉の意義は何か (都留康子)
―東シナ海から南シナ海へ―
・排他的経済水域における石油及び燃油の瀬取りに対する沿岸国の管轄権 (石井由梨佳)
・海洋の科学的調査制度が直面する新たな課題 (下山憲二)
―無人海洋調査機器が提起する課題を中心に―
・国連海洋法条約における商業捕鯨の法的評価 (玉田 大)
・漁業資源管理における RFMOs の非締約国に対する取扱いについて(吉原 司)
・捕獲私船と海賊行為 (森田章夫)
―国際法上の海賊行為概念成立過程の一断面―
・現代海洋法における公海自由の原則の揺らぎ (本田悠介)
―BBNJ 交渉の影響―
・「海洋法に関する国際連合条約」と中国の実践 (金 永明)
南極・宇宙
・南極の環境保護と日本 (柴田明穂)
―現状と課題―
・宇宙資源の利用における国際法上の制約 (高屋友里)
―宇宙空間専有禁止原則の観点より―