現代日本になお残る「教育勅語」の息吹。
戦前、学校教育を通じて国民に帝国主義的な倫理規範やアイデンティティを植え付けるべく生み出された「教育勅語」。
その成文過程は、天皇制に基づいた上意下達のものとは言い切れず、当時の歴史的・政治的状況を背景とした、
政府と宮廷の対立や、さまざまな思想同士のせめぎ合いがあった。
そして、戦期の「日本人」を規定したその政治文書は、敗戦後に効力を失ってもなお、現代日本を生きる私たちの心髄に根付いている――。
教育のきわめて政治的な一面を喝破し、日本人の本質を淵源まで捉えた一冊。
シリーズ | 副田義也社会学作品集Ⅸ |
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タイトル | 教育勅語の社会史 |
刊行日 | 2021年5月10日 |
著者 | 副田義也 |
定価 | ¥6380(本体¥5800+税) |
ISBN | 978-4-7989-1663-7 |
Cコード | 3336 |
ページ数 | 432 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
第Ⅰ章 「教育勅語」の成立前史
第Ⅱ章 「教育勅語」の本文批評と性格規定
第Ⅲ章 「教育勅語」をめぐる諸思想の葛藤
第Ⅳ章 「教育勅語」の作用と効果
第V章 「教育勅語」を補完した詔勅など
第Ⅵ章 「教育勅語」の排除と失効確認まで
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