「想像」こそが、人間を人間たらしめている。
あらゆる知覚に対応した人間の「想像」は、さまざまな感情や行動を規定し、また多くの芸術文化をも生み出してきた。
人における体の感覚、物的環境の知覚、行動、そして感情の有りようについて考察してきた著者による想像論。これは哲学の伝統的用語で言う存在論でもあり、科学論をも含む認識論でもある。そしてとりわけ、フィクションの構造とはどのようなものであるかを、その可能性から解き明かすことに意を注いだ大著。
タイトル | 想像のさまざま |
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サブタイトル | 意味世界を開く |
刊行日 | 2022年1月20日 |
著者 | 松永澄夫 |
定価 | ¥8360(本体¥7600+税) |
ISBN | 978-4-7989-1721-4 |
Cコード | 3010 |
ページ数 | 872 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
1947年、熊本生まれ。東京大学名誉教授。哲学を創造する年刊誌『ひとおもい』編集委員。
著作の中のさまざまな文章が、高校教科書『国語総合』(数研出版)に掲載のほか、多数の大学、専門学校、高等学校、中学校、更に全国大学入試センターの入試問題として、また塾や通信教育の教材として利用されている。
本書を読むに当たって
序
第Ⅰ部 想像と現実
第1章 現実との間合いからみる想像のさまざま
第2章 想像する人の基本的現実
第Ⅱ部 現実の次元と意味次元
第3章 知っていることと意味事象
第4章 言 葉
第5章 想い浮かべと意味事象
第Ⅲ部 物的現実を目がける想像
第6章 物的現実を目がける想像
第7章 想像と知識の蓄積・知識の利用
第Ⅳ部人と人が関与したものに対する敏感さと想像
第8章 人という知覚対象と人に関する想像
第9章 人が関与して残したものの意味を探す
第Ⅴ部 像
第10章 地 図
第11章 彫 像
第12章 絵
第13章 演 劇
結 び 自己像と哲学
本書執筆の経緯について
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