この世に生まれ、いまここに生きていることの歓びや自由感と幸福感が感受される世界とは
自己責任と過剰な能力主義の世界に置かれる現代の子ども・若者たち。彼/彼女らに対する外発的な「自立」政策はかえって「孤立」を生み出し、関係性と体験の貧困を加速させる。本書は、生産性や機能性を過度に重視した合理主義的世界が見失ってきた生命世界とのつながりを取り戻し、子ども・若者たちが人や自然と共に過ごす時間の歓びや楽しさを享受できる社会・コミュニティのあり方を提言する。
タイトル | 子ども・若者の居場所と人間形成 |
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サブタイトル | Well-beingな環境デザインへ |
刊行日 | 2024年2月 |
著者 | 萩原建次郎 |
定価 | ¥1980(本体価格¥1800+税) |
ISBN | 978-4-7989-1872-3 |
Cコード | C3037 |
ページ数 | 160 |
判型 | A5 |
製本 | 並製 |
萩原建次郎(はぎわら けんじろう)
1968 年 埼玉県生まれ。
立教大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。現在 駒澤大学総合教育
研究部教授 専門は教育人間学,社会教育学
広く子ども・若者の居場所と人間形成の視座から近代教育の課題を問う。子ども・
若者の居場所をめぐる臨床研究や地域青年活動の研究を重ね、各自治体の青少年・
若者関連施策の提言、ユースセンター・児童センターなど青少年施設職員の力量
形成支援や運営にたずさわる。
主要著書 単著『居場所―生の回復と充溢のトポス―』(春風社、2018 年)、
共編著『若者の居場所と参加―ユースワークが築く新たな社会―』(東洋館出
版、2012 年)、共編著『危険ってなあに? “ 安全” のワークブック―リスクと
ハザードを考えよう!』(ガールスカウト日本連盟、2007 年)など。
目次/子ども・若者の居場所と人間形成―Well-beingな環境デザインへ
はじめに―生きていることの歓びと幸せを考えるために
第Ⅰ部 子ども・若者の成育環境の現代的特徴
第1章 居場所なき時代の自立と生きづらさ
第2章 脱身体化する社会と生の全体性の回復
第Ⅱ部 都市におけるWell-beingな成育環境をデザインする
第3章 信頼と寛容のコミュニティ創出に向けた仕組
第4章 都市におけるWell-beingな子ども環境をデザインする
第5章 都市における若者・大学・NPOの地域協働活動
第Ⅲ部 生命性・存在性の世界と地域青少年育成活動
第6章 地域青少年育成活動の現代的意義と自立の問い直し
補論 生命性の世界から見た遊び・余暇の意味
第7章 地域青少年育成活動と地域学校協働活動の可能性 87
第Ⅳ部 社会教育・公民館が育むWell-beingな成育環境
第8章 若者の居場所としての公民館の可能性
第9章 子どもの成育空間としての公民館
結論にかえて―人間の生の回復と充溢に向けて
第10章 近代的主体と自立の脱構築―生命・身体・コミュニティ
関連図書リスト
初出一覧
おわりに
索引