表面的統合を超えた移民問題の深度
EU各国における移民問題の急速な焦点化の中、適応の成功モデルと見なされた中国系移民は、総じて問題視されることが少なかった。だが対象をイギリス1国から3カ国に広げ、中国生まれの新移民を含む諸世代の比較を通じ、学校不適応、アイデンティティ形成の多様化等、統合の表面的様相を超えて問題を深化させた本書は、今後の移民問題を考える上で見逃すことのできない、新たな課題群を追究・提示した、長年にわたる詳細な調査に基づく労作である。
タイトル | EUにおける中国系移民の教育エスノグラフィ |
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刊行日 | 2014年02月28日 |
著者 | 山本須美子著 |
定価 | 4500+税) |
ISBN | 978-4-7989-1222-6 |
Cコード | 3037 |
ページ数 | 376 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
序 章 研究課題と理論的枠組み
第Ⅰ章 中国系移民の歴史的背景と新移民流入による変化
第Ⅱ章 移民政策と移民教育政策
第Ⅲ章 中国系第2 世代への中国語教育―正規の学校と中国語補習校
第Ⅳ章 中国系第2 世代と学校適応
第Ⅴ章 中国系第2 世代と文化的アイデンティティ形成
第Ⅵ章 中国系新移民の子どもと学校不適応
終章 EUにおける中国系移民と学校適応・不適応
おわりに
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