-
芸術/批評2号
特集:芸術理論の諸相3 -
さして恐れることはない芸術の充溢と不在について
常態としてのジャンルの越境――M.ナイト・シャマランと映画の強度
マチスの切り紙絵とピカソのコラージュ――持続と転換
サルトルと、ローゼンバーグ、グリーンバーグ
現代芸術におけるチャイナイズム
『芸術/批評』・『芸術の山』特別共同企画 美術の文脈――作品
制作の現在
-
ロジャー・フライの批評理論
――知性と感受性の間で -
フライによるセザンヌ、ゴーギャンら「ポスト印象派」の「発見」は、同時に従来の伝記的、文学的批評との決別であり、純粋に作品の内的情報である「造型性」を核とした批評の開始だった。現代芸術批評のパイオニア、フライの中核理念=「フォーム」「エモーション」「センシビリティ」等の概念を、厳密な資料調査に基づき的確に跡づけるとともに、多岐にわたる社会活動と広範な理念を貫通するその思想の本質を、精細に追究・考察した労作。
第1章 フライの思想の変遷
第2章 フォーム概念の成立
第3章 ヴィジョン概念の変遷
第4章 フォームの質――造形的な局面と心理的な局面
第5章 感受性の論理
第6章 社会的側面――同時代における位置づけ