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アントニオ・グラムシ
――『獄中ノート』と批判社会学の生成 -
歴史と現代を貫通する強靱な社会学的考察
断片的覚書から成る『獄中ノート』が孕む、強靱な方法論的一貫性と内的体系性の探求を通じ、その「実践の哲学」を基盤に浮かび上がる、社会の統合・更新の動態を見据えた、卓越した社会学的考察と論理。はしがき
グラムシ関連地図
第1章 グラムシの生涯
第2章 『獄中ノート』と本書の課題に関する予備提議
第3章 『獄中ノート』体系の構造と「実践の哲学」
第4章 集合体と個人・人間・人類
第5章 歴史分析の理論枠組――知識人・階級・ヘゲモニー
第6章 拡大された国家概念――政治社会と市民社会
第7章 歴史分析の三次元方法論
第8章 「アメリカニズム」分析の方法
終章にかえて
あとがき
引用・参考文献
付録
1 グラムシ『獄中ノート』全冊の構成
2 獄中研究プラン
3 グラムシ略年譜
索引
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福武直
――民主化と社会学の現実化を推進 -
戦後社会建設と並走した社会学の輝き
戦後、社会大変動の時期、民主化推進を目指し、農村研究を核に「現実科学」としての社会科学の展開を主導した、その営為と業績を再検討することは、今日社会のに瀰漫する閉塞感を前進感覚に転化させる、一動因となるだろう。
第1章 生涯と時代的背景
第2章 研究の特質
第3章 戦後日本社会学の展開と福武社会学
資料
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ロバート・リンド
――アメリカ文化の内省的批判者 -
精緻な小都市=ミドルタウン研究が孕む強い実践的志向
自由放任的個人主義に導かれ、過剰な業績・金銭志向が風靡するアメリカ消費資本主義文化を鋭く批判。価値中立的な事実分析を超えたその営為は、格差社会に象徴される様々な矛盾が噴出する現代に、新たに強くアピールする。
第1章 人と時代と業績
第2章 コミュニティ調査の展開と社会分析
第3章 評価・影響・現代的意義
付録(業績一覧、邦文献、欧文献、略年表)
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カール・マンハイム
――時代を診断する亡命者 -
「亡命の社会学者」が見据えた現代の危機!
その知識社会学の確立、近現代社会の透徹した診断は、同時に独裁政治、画一化社会の鋭い批判だった。多様性の擁護が不毛な価値相対主義に陥らぬ方途を求め、あくまで現実と歴史に関わり続けた「境界人」の全貌!
はじめに
第1章 時代を診断する亡命者
1 ブダペスト 一八九三〜一九一九
2 ハイデルベルク 一九二〇〜一九三〇
3 フランクフルト 一九三〇〜一九三三
4 ロンドン 一九三三〜一九四七
第2章 文化と知識の社会学
1 文化の解釈学
2 知識の社会学
2 相関主義と実験的生活
第3章 近代を診断する社会学
1 知識人の社会学
2 近代の危機
3 自由のための計画
第4章 「マンハイム解釈」という営み
1 受容史
2 マンハイムと現代社会理論
付録
A 主要業績一覧
B 参考文献
マンハイム略年譜
事項索引
人名索引