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国立大学・法人化の行方
――自立と格差のはざまで -
一律法人化の光と影! 法人化の衝撃から4年、国立大学はどう変わったか?
自立への歩みの蔭で浮上してきた、大学間格差の拡大、研究と教育のアンバランス、教員の職員化等、今回の法人化が孕むこれら数々の問題点を、定点観測的アンケート調査はじめ詳細な資料を通じ分析・追求するとともに、行財政問題主導の改革を超えて、わが国高等教育の未来を見据えた新たな国家戦略の必要性を強調した、大学問題のすべてに通暁した著者による、時宜を得た労作。
序章 国立大学論――格差構造と法人化
第1章 法人化への道
第2章 法人化前夜
第3章 法人化一年後の現実
第4章 法人化の進展と課題
第5章 大学院の行方
終章 国立大学と国家戦略
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フンボルト理念の終焉?
――現代大学の新次元 -
世界を風靡した理念の虚実と現代大学の新使命
それは近代大学に害毒さえ流してきた、現実無視の固定観念なのか?それとも今なお擁護されるべき、積極的意義を孕む思想なのか?「フンボルト理念」とは後生創作された神話だとするパレチェク仮説を検証すると共に、フンボルトの原論文、その構想現実化の実態と世界への影響等、実証的に検討・解明し、さらに今日の大学の実態に即してその進むべき方向を照射した渾身作。
1章 学長フィヒテの運命
2章 フンボルト型の大学とは?
3章 学生は何を体験したのか
4章 教師はどうして選ばれたのか
5章 アメリカへのドイツ・モデルの移植
6章 日本へのドイツ・モデルの移植
7章 なぜドイツの大学は凋落したのか
8章 フンボルト理念の終焉?
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大学改革 その先を読む
――立教大学「大学教育開発・支援センター」連続セミナー講演記録 -
大学の真の在り方は?大好評連続講演の記録
大学は何に適応し、どのような価値にこだわるべきか? 大学教員・職員、関係者の現場発のメッセージ。「大学改革の歴史130年」「学士課程教育と大学院教育」「カリキュラムと授業」ほか全5講演の記録を収録。
第1講 大学改革の歴史一三〇年――何が達成され何が残されたか
第2講 学士課程教育と大学院教育 ――それぞれの抱える課題と連続性への着眼
第3講 カリキュラムと授業――大学の勝負を分けるもの
第4講 教員と職員――それぞれのミッションと「支援・協働」
第5講 私学――その課題と未来を考える
- 改めて「大学制度とは何か」を問う
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『カレッジマネジメント』に2006年9月から2007年1月にかけて掲載された「改めて「大学制度とは何か」を問う」に加筆修正を加えたもの。大学制度というものの本来的なあり方を、現代的な視野のもとに追求する。
第1章 そもそも「学位」とは
第2章 そもそも「大学院」とは
第3章 そもそも「教員組織」とは
第4章 そもそも「教育研究組織」とは
第5章 そもそも「単位制度」とは
第6章 そもそも「学生」とは
補論 認証評価制度について考える
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大学は歴史の思想で変わる
――FD・評価・私学 -
ますます高まる社会的要請・批判と、培われてきた大学理念とのせめぎ合いの中、制度いじりの表面的な横並び改革に堕すことなく、大学がそれぞれの個性のもと再生へと歩む方途はどこに?経験と思想の宝庫である歴史を常に凝視しつつ、改革の中核課題=大学教育の在り方をめぐって、FD、評価、大学院、私学問題等、今日の焦点的問題群を縦横に論究。著者長年の研鑽と体験を凝集した時論集第4弾。
1 FDと教職員そして自校教育
(FD再考;三たびFDを考える――日本的理解への批判的提言 ほか)
2 教育評価・研究評価
(日本の大学評価――批判的展望の試み;大学基準協会の歴史とわが国における大学評価の特質 ほか)
3 大学院と学位
(日本の大学院とその教育――現状・問題点・将来;日本の学位制度――小史の試み)
4 文書館
(大学アーカイブス――その意義と新しい役割;大学アーカイブス私見――九州大学大学史史料室に寄せて ほか)
5 存在としての私学、歴史としての私学
(私立大学――歴史が残した問題、今後の課題;戦前私学の位置と存在理由――立教の中で考える ほか)
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大学教育の思想
――学士課程教育のデザイン -
思想なき「大学改革」を改革せよ 「絹川改革論」の集大成
戦後の大学教育を一貫した理念に基づいて先導し続けた元ICU学長が、とかく目先の状況対応に終始しがちな我が国の大学改革への鋭い批判を込めて贈る「絹川改革論」の集大成。基底をなす大学思想と具体的方策を一体化し、学士課程改革を焦点に、大学の存在理念、今日における教養教育、教員評価等、全方位的に展開される本書こそ、関係者必読。
1 これからの大学教育
日本の大学はどうなるか、「21世紀の大学像」の構図 ほか
2 「一般教育」は死語か
一般教育の発想、一般教育の終焉と展開 ほか
3 学士課程教育を発想する
リベラルアーツ教育の意味と実践、学部教育の展望 ほか
4 学士課程教育の舞台を作る
カリキュラム開発の視点、シラバス ほか
5 どうする大学教員
なぜFaculty Developmentか、大学教員評価の視点 ほか
- 大学再生への具体像 (読売新聞2006年9月17書評)
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画期的提言に結晶した著者の改革体験
国立大学・私立大学での豊富な改革経験を語りつつ、日本の大学の再生・飛躍にかける著者の決意は、ついに19項目の具体的提言に結晶した。とりわけ第三者機関による各科目ごとの資格認定試験制度化の勧めは、従来の入り口での学生の振るい分けを、出口での実質評価に変える、まさに重量級の改革提案である。改革の具体的再構築のための必読の書。
1 国立大学はどう変わろうとしたのか
国立大学での改革経験、ともに抱いた危機意識 ほか
2 私立大学はどう変わろうとしたのか
私立大学での新学部創設、参加型学習の可能性 ほか
3 大学を変えるにはどうしたらよいのか
大学改革を取り巻く環境、改革の抵抗勢力 ほか
4 具体的な改革項目――提言
- 原点に立ち返っての大学改革
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(注:著者の姓の漢字は正しくは本書の写真にあるとおりですが、インターネットでの検索の便を考え、ページでは異体字のままとしました。ご了承ください。)
変化をしない大学は衰退する。変化しても原点を失う大学は衰退するか大学であることをやめる。変化をとげながら、原点を失わない大学のみが真に繁栄する。
第1章 リベラル・アーツと教養
第2章 プロフェッショナル・スクールと専門職大学院
第3章 ディシプリンと専門
第4章 インターディシプリナリーと学際
第5章 リサーチと研究
第6章 パブリック・サービスと社会貢献
第7章 ディグリーと学位