- 中国教育の文化的基盤
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伝統と現代の融合をめざして
教育の現代化のためには、伝統に立脚しつつ伝統を超えねばならない――中国教育学会会長である著者が、古代中国文化の創造期から改革開放の現在に至るまで、教育の内容・制度の変遷を中心に精細な考察を行い、中国教育通史としても第一級の本書は、あくまで「温故知新」すなわち歴史を顧みつつ現在を追究する精神に貫かれている。随所に閃く卓見が、特に結論の章において、単に中国に関する提言を超えて万人必読の教育観に凝結した労作。
日本語版への序・原著者まえがき・監訳者まえがき
序論
第1章 教育と文化
第2章 中国文化とその基本的特徴
第3章 中国伝統文化の類型、性質と基本精神
第4章 中国の教育伝統とその基本的特質
第5章 中国伝統文化の中国教育に対する影響
第6章 西洋の学問の東漸と中国教育の現代化
第7章 西洋教育制度と教育思想の中国教育に対する影響
第8章 中国におけるマルクス主義の伝播とマルクス主義教育思想の誕生
第9章 中国の教育におけるソ連の教育の影響
第10章 改革開放と教育思想の多元化
第11章 結論:中国教育の現代化の道を探る
原著者あとがき
事項索引
人名索引
- 中国の人口移動と社会的現実
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大量の人口流動は今何をもたらしているか?
経済発展に付随して起こる人口移動、農村から都市への労働力の新しい流入――それが今最も劇的に展開しているのが中国である。それに伴う経済的・社会的・現実的変動は、中国の、ひいては世界の今後に何をもたらすか。大変動の現場における実態調査も交え、この喫緊の問題群に総合的に取り組んだ力作。
推薦の言葉(若林敬子)
第1章 人口移動をめぐる理論と先行研究
第2章 中国における戸籍制度
第3章 中国国内の人口流動におけるマクロ分析
第4章 流入先地における出稼ぎ労働者の生活実態――上海市2004年調査
第5章 流入先地における出稼ぎ労働者の生活実態――北京市2004年調査
第6章 流入先地における出稼ぎ労働者の生活実態――広東省2005年調査
第7章 人口流出による農村家族及び村落への影響――四川省2005年調査
第8章 出稼ぎ労働者の権益保護:社会保障――2007年北京市の事例調査をもとに
第9章 出稼ぎ労働者の権益保護:子弟教育――2008年上海市の事例調査をもとに
第10章 出稼ぎ労働者の都市定住意識とその要因分析――2004年北京・上海の調査より
結論