- 現代中国初中等教育の多様化と制度改革
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平等と格差との矛盾超克を目指して
理念としての全児童・生徒の平等と、実態としての住民・民族間の差異・格差――このどの国も完全には免れ得ぬ矛盾を、極限にいたるまで内包しているのが中国だ。無限に多様な住民の生活と文化の中、国是である平等の実現を求め苦闘し続ける中国の学校制度改革の実際を概観・考察し、時に多少の規範との齟齬を恐れぬ現実的解決の精神を活写した本書は、今日特に求められる、様々な矛盾を孕みつつ前進する教育制度改革の論理と実践を具体的に描いた労作。はしがき
序章 現代における学校制度改革の役割
第1章 世界の学校制度とその改革の論理
第2章 中国の学校制度
第3章 中国の学校教育における多様化と地方化
第4章 中国における義務教育制度の導入107
第5章 中国における6−3制と5−4制
第6章 中国における学校選択制と学区制
第7章 中国における小中一貫という発想
終章 中国における学校制度改革の論理
引用文献・参考文献
あとがき
- 中国高等教育独学試験制度の展開
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それは高等教育に賭ける中国国民の熱意の象徴だ。
量的拡大を続ける中国高等教育の一翼を担い、今や年間受験者400万人にも達する「独学試験制度」―― 個人が自らの学習で得た知識や技能を、国が試験によって認定し、高等教育修了の資格を与えるという、この中国独自のシステムの全容を、普通高等教育制度、成人高等教育制度との関連の下、わが国で初めて具体的に紹介・考察した本書の行間から浮かび上がるのは、日本にも勝る、国民の高等教育に対する熱烈な希求だ。はしがき
図表一覧
序章 研究の目的と課題
第1章 高等教育の多様化過程
第2章 高等教育システムの量的拡大
第3章 高等教育独学試験制度の導入と基本的な枠組み
第4章 試験参加者のプロフィールと意識
第5章 学習支援活動の展開
第6章 開設専攻と試験科目
第7章 多様化した高等教育システムにおける高等教育独学試験制度の位置づけ
引用文献
あとがき
索引