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ハイデガーと地球
――環境哲学論考 -
思考と行為のラディカルな転回のために
人間はこれまで、地球と自然を技術的、管理的に支配し得る作用者として振る舞ってきた。対象を固定化し許量可能な存在とみなす西洋的思考様式は、そうした行為の反映に他ならない。その結果、いま眼前に広がりつつあるのは、地球環境の全体的破局である。我々は今こそ従来の思考と行為を全面的に反転させねばならない――ハイデガーが内包するエコロジカルな思索に触発され展開する、6つの環境哲学論考の光芒。編者まえがき
訳者まえがき
第1章 罪という管理テクノロジー:ハイデガー的反省への呼びかけ■ラッデル・マックフォーター
1 技術の時代
2 反省と地球
3 世界への管理とコントロール
4 罪という管理テクノロジー
5 罪の力と地球
第2章 ハイデガーとエコロジー■ハンスペーター・パドルット(ケネス・マリー訳)、ケネス・マリー(翻訳者)によるパドルットの紹介
1 詩的に地上に住まうこと
2 ファビアンとドゥトレバル
3 ハイデガーの三つの基本的概念とエコロジーとのつながり
4 環境保護運動の指導的考えとハイデガーの思考
5 批判的な異論
第3章 建設を思考し詩作する路:地球上の人間の不気味さ■スティーブン・デイビス
1 人間の不気味さ
2 人間存在への讃歌
3 第一段階の読み
4 第二段階の読み
5 テクネーという語
6 第三段階の読み
7 技術以外の道
第4章 地球思考と変革■ケネス・マリー
1 地球とのつながり
2 地球概念の拡大
3 神聖な地球
4 地球に住まうこと
5 地球の変革へ
第5章 地球を歌う■ゲイル・ステンスタッド
1 第一の路、闇として地球
2 第二の路、帰属の望み
3 顕われと隠され、静かさを聞くこと
4 分離性と収縮の道
5 結合性と拡張の道
第6章 出会いの場所■トーマス・デイビス
1 地球の隣人になる
2 ベリーのタカ
3 ハイデガーのカシ
4 出会いの場所
執筆者紹介/訳者紹介
訳者あとがき
事項索引