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海の国際秩序と海洋政策
(海洋政策研究叢書1) -
21世紀、日本の危機は海から来るのではないか? ロシア、韓国、中国、そして北朝鮮――「海洋自由の原則」のみに固執し、緊張を孕む国際関係を放置しておくことはもはや許されない。高次の国際協調体制の追求が今こそ必要なのだ。国連海洋法条約発効以後の変容著しい海洋諸問題を、国際法の観点から包括的・体系的に分析・考祭し、わが国今後のとるべき方策に大きな示唆をもたらす労作。
序章 国際海洋秩序と日本の法的対応
第1部 「海洋政策のダイナミクス」(海洋秩序の憲法化と現代国際法の機能――「海を護る」("Securing the Ocean")の概念について;海洋政策が海洋空間の秩序形成に及ぼす作用)
第2部 「海の安全保障」(排他的経済水域における軍事活動;テロリズムの国際規制における海洋の役割と機能――9.11事件による対テロ政策の変化と海上規制)
第3部 「海洋環境保護に対するアプローチ」(海洋環境保護と「予防原則」;海洋保護区――場所本位の海洋管理)
第4部 「海洋資源と利用」(漁業の国際的規制とその課題;日中間の排他的経済水域と大陸棚の問題;海洋ガバナンスを展望する――政治学的かつ実践的視点から)
松井芳郎 編集代表、山手治之、香西茂、田中則夫、薬師寺公夫、坂元茂樹 編集委員
2006.5.30刊 724頁 A5判
並装 3,800円(本体)
ISBN978-4-88713-675-5 C3032
- 判例国際法[第2版]
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各項を"事実""判決要旨""論点""参考文献"に簡潔にまとめ、標準的な教科書の構成に準じた章立て、詳細な索引と相まって大好評の前版の編集方針を踏襲しつつ、今日的視点からみて不可欠な重要性を持つ判例を選び、37件、136頁の大幅増補を行った最新版。研究者、学習者、実務家必読、特に法科大学院テキストに最適。
第1章 国際法の法源
第2章 国際法と国内法の関係
第3章 国際法の主体
第4章 領土
第5章 海洋法
第6章 外国人の法的地位
第7章 個人の地位
第8章 国家機関
第9章 条約
第10章 国家責任
第11章 環境の保護
第12章 紛争の平和的解決
第13章 平和と安全の維持
第14章 武力紛争法
索引
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グローバル化する世界と法の課題
――平和・人権・経済を手がかりに -
否応なしに進展するグローバル化の中、国際法は新たな対応を迫られるとともに、その果たすべき役割は、ますます重要性を加えつつある。経済、個人の国際的保護、国家責任等を焦点に、現在、世界と国際法が直面している諸課題を多角的かつ精細に論究した、アップ・トゥ・デイトな論考集。
1 グローバル化する世界における国際法理論の再検討
(国際法における「形式的法源」と「実質的法源」――イギリス国際法学における法源論、ウィーン条約法条約とTRIPS協定の解釈 ほか)
2 経済活動のグローバル化と法の対応
(知的所有権におけるTRIPs協定の成立過程と内容的特徴――WTO成立までを中心に、EU強制執行制度の特質と「執行文」付与の法的意義――EC条約に基づいて ほか)
3 グローバル化する世界における個人の保護と責任
(自由権規約個人通報手続における相対主義と普遍主義の法的攻防、欧州における人権保護システムの調整――欧州連合・共同体と欧州人権条約加入 ほか)
特別寄稿(ヴェルサイユ条約の賠償・経済条項と混合仲裁裁判所)
資料(山手治之先生略歴・主要著作目録)