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国際法学の地平
――歴史、理論、実証
(大沼保昭先生記念論文集) -
現在国際法学が抱える問題点を鋭く意識し、多岐にわたる根幹的問題群に全力で肉迫したアップ・トゥ・デートな考察の集積。大沼保昭教授の40年に及ぶ営為の広がりと深みを反映し、直接・間接に同教授の薫陶を受けた25名の専門研究者を結集した、最先端研究論集。
第1部 文明、正義、理論
第2部 歴史
第3部 人権
第4部 経済、労働、環境
第5部 紛争解決、国際裁判、戦争責任
- 海洋境界画定の国際法
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国家利益に深く関わる海洋境界画定にまつわる諸問題の歴史と課題
隣接国間の「衡平な解決」をめざし国際法に基づく合意で行う境界画定は、また世界の多くの海域で紛争を惹起する原因ともなっている。――気鋭の執筆陣がこの世界の焦眉の課題に切り込んだ画期的論集。
巻末には関連資料(地図)を多数掲載。序に代えて(村瀬信也)
第1章 海洋境界画定に関する国際判例の動向(江藤淳一)
第2章 海洋境界画定における比例性概念(田中嘉文)
第3章 海洋境界画定と領土紛争(坂元茂樹)
第4章 大陸棚の共同開発(濱本幸也)
第5章 200海里を越える大陸棚の限界設定をめぐる一考察(兼原敦子)
第6章 中越海洋境界画定協定(加々美康彦)
第7章 境界未画定海域の管轄権(奥脇直也)
第8章 国連海洋法条約における海洋境界画定紛争の解決手続(青木隆)
資料編 海洋境界画定関連地図◆関連図書
自衛権の現代的展開 村瀬信也 編 2,800円(本体)
国際刑事裁判所 村瀬信也、洪恵子 共編 4,200円(本体)
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国際法[新訂版]
――はじめて学ぶ人のための -
目次
国際社会における法
国際法のあり方――国際法の認識根拠
国家その他の国際法関与者
国家の違法行為と責任
地球の領域的秩序
国籍
人権――国際・民際・文際的保障
世界経済と国際法
地球環境と国際法
紛争の解決と国際法
武力の規制と平和の維持・実現
武力紛争法
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宗教と人権
――国際法の視点から -
原書名=Natan Lerner, Religion, Secular Beliefs and Human Rights: 25 years after the 1981 declaration.
現代焦眉の課題、宗教的対立を超えた「共生」への指針
9.11「同時多発テロ」以後、従来にも増して宗教をめぐる不寛容、差別、憎悪と暴力が全世界に吹き荒れている。宗教の復興と無数の新宗教の誕生と隆盛、原理主義的勢力による政治支配も著しい。「信教の自由」はどこまで許容され、保護されるべきか。非宗教的立場から人権にコミットしてきた国際法学者が、共生社会の構築をめざし、わが国ではこれまで本格的に論じられることの少なかった、棄教、改宗、勧誘の自由、政教分離、ヘッドスカーフ着用規制など具体的事例を挙げて明晰な考察を展開した、必読の労作。
日本語版への序文(原著者)
序文(ジョン・ウィットJr)
著者による序文
第1章 はじめに
第2章 宗教と信念の法的意味
第3章 国連における宗教的人権
第4章 1992年「国連マイノリティ権利宣言」
第5章 宗教的人権の地域的保護
第6章 迫害と扇動からの宗教的集団の保護
第7章 改宗の勧誘と宗教の変更
第8章 宗教とテロリズム
第9章 非宗教的人権観
第10章 宗教的標章(シンボル)――「評価の余地」の範囲:トルコ・ヘッドスカーフ事件、欧州人権裁判所と世俗主義的寛容
第11章 国家と宗教的共同体――イスラエルの事例
第12章 ローマ教皇庁とイスラエル
まとめ
訳者あとがき
資料(宗教的不寛容撤廃宣言、宗教的不寛容撤廃条約案、国連マイノリティ宣言)
索引
松井芳郎 編集代表、田中則夫、薬師寺公夫、坂元茂樹、浅田雅彦、桐山孝信、小畑郁 編集委員
2008.4.1刊 1258頁 B6判
並装 2,600円(本体)
ISBN978-4-88713-815-5 C3032
- ベーシック条約集[2008年版]
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激動する国際関係理解に必須の最新年次版 全1260頁、290件、17章
・大きな活字で読みやすい学習至便の最新2008年版。
・各章ごとに収録文書を原則として節分けし、いっそう使いやすく再編成した。
・各章冒頭には収録文書の相互位置づけと章テーマの包括的理解に最適な「本章の構成」を収録。
・重要新条約・法令と共に、割愛されていた規範的国際文書も含め、11件を新規収録。
・基本的な国際文書と共に、各章末等に関連する国内法を多数収録。
・巻末17章の資料は全面最新情報に改訂(2008年3月現在)
・海洋法関連4図表、国際テロリズム関連諸条約の構造表、核兵器国・非核兵器地帯地図を新規収録。
全17章=国際機構/国家/個人/条約/海洋/空域/国際化地域/環境/国際経済/外交機関/国際犯罪/紛争の平和的解決/武力行使の違法化と安全保障/軍備の規制/武力紛争/平和の回復/国際法関係資料
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顕れてきた地球村の法
――ポスト・ウェストファリアへの視点
原書名 Richard A. Falk, LAW in an Emerging Global Village――A Post-Westphalian Perspective -
21世紀の国際法の役割とは?
これまでの国家主義的国際法に安住することなく、ウェストファリア後の「世界の法」の必要性を、現状を精緻に分析しながら説き、グローバル・ガヴァナンスの行方を包括的に示唆した体系書。
序論 第1部 顕れてきた世界の枠組み(グロチウスの時;世界秩序――国家間法と人道法の均衡を求めて)
第2部 現実の関心事(国連、法の支配、人道的介入;人道的介入の複雑性――新しい世界秩序への取り組み;グローバル化の時代における環境保護;海洋の平和な未来とは?;核兵器、国際法、そして世界法廷;核兵器に関する勧告的意見と地球市民社会の新しい法体系)
第3部 人道に適った統治へ向かって(来るべき地球文明――新自由主義か人道主義か;グローバル化の時代における人道的統治の探究)
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国際刑事裁判所
――最も重大な国際犯罪を裁く -
残虐行為の根絶を目指す国際社会の合意の結晶である国際刑事裁判所〈International Criminal Court, ICC〉のすべて
国際社会全体の関心事である集団殺害犯罪〈ジェノサイド〉・人道に対する犯罪、戦争犯罪・侵略犯罪といった「最も重大な国際犯罪」にいかに抗するのか。気鋭の執筆陣が、この新しい裁判所に関する法的問題点、意義、そして機能を包括的に分析した最先端の研究
はしがき
第1章 国際刑事裁判権の意義と問題――国際法秩序における革新性と連続性
第2章 国際刑事裁判所における管轄権の構造
第3章 国際刑事裁判所の事項的管轄権の対象(1 集団殺害犯罪(ジェノサイド罪)、2 人道に対する犯罪、3 戦争犯罪――犯罪構成要件文書を中心に、4 侵略犯罪)
第4章 国際刑事裁判所の刑事手続の特質
第5章 ICCにおける被害者の地位――実現された制度と課題
第6章 国際刑事裁判所に対する国家の協力
第7章 国際刑事法の文脈から見た国際刑事裁判所――国内刑事司法との相互作用
第8章 日本と国際刑事裁判所
あとがき――国際刑事裁判の難しさ