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グローバル化とアジア社会
――ポストコロニアルの地平
(シリーズ 社会学のアクチュアリティ:批判と創造 第9巻) -
ポストコロニアルの地平を激走するアジアを、既成の知・西欧的パラダイムを超えて見つめ直し、都市と農村、経済発展と貧困、階層とコミュニティ等、グローバルとローカルが複雑に交差する位相を多角的に照射・分析する。
序章 グローバル化とローカル化
第1章 ポストコロニアリズムと現代日本
第2章 アジアの都市化の新局面
第3章 アジアの都市−農村関係の変貌――インドネシアを中心に
第4章 都市中間層の動向
第5章 ポスト開発と国民統合・民主化
第6章 アジア社会の都市グラスルーツ
第7章 マニラのスクオッター
終章 モダニティとアジア社会
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住むことは生きること
――鳥取県西部地震と住宅再建支援
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット11) -
鳥取県西部地震復興に際して県民の住宅再建を支援し、生活の基盤を支えた片山知事が、災害復興における居住福祉の重要さを語る。2002年6月開催「第1回・居住福祉推進フォーラム」における講演を中心にまとめた一冊。
1 鳥取県西部地震の体験(死者ゼロという奇跡;怠りない準備があった ほか)
2 住宅再建支援への取り組み(高齢被災者の率直な気持ちは……;住宅再建支援制度がない! ほか)
3 災害復興は何が重要か(原則は元通りにしてあげること、復興は二百年後の人のためではない ほか)
補論1 居住福祉と自治体の出来ること(鳥取地震から居住福祉への道筋を考える、お年寄り自身の気持ちを理解する ほか)
補論2 鳥取県西部地震災害における住宅再建・公的支援の意味(鳥取県における公的支援の意味、鳥取県西部地域の震災前後の人口変動)
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捕鯨問題の歴史社会学
――近現代日本におけるクジラと人間 -
文化論に装われた問題の政治性超克の試み
かつて全海洋くまなく展開された商業捕鯨は、はたして日本文化の伝統か?詳細な歴史的分析に基づき、近現代日本人の経験と記憶に彩られた捕鯨観を相対化し、現在の国家間対立構造打破の突破口として、人間とクジラとの新たな関わりを示唆する、気鋭の労作。
はしがき
序章 本書の課題
第1章 近代日本捕鯨業における技術導入と労働者
第2章 経験の交錯としての暴動――「東洋捕鯨株式会社鮫事業場焼き打ち事件」の分析
第3章 クジラ類の天然記念物指定をめぐって――産業としての野生生物の利用を考える
第4章 近代日本における鯨肉食の普及過程
第5章 「乱獲の論理」を探る――捕鯨関係者の言説分析
終章 捕鯨問題における「文化」表象の政治性について
あとがき
引用文献その他
索引
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精神科医がめざす近隣力再建
――進む「子育て」砂漠化、はびこる「付き合い拒否」症候群
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット10) -
ヒトが人間という社会的存在化するために必要なプロセスや、その中で住まい方(近隣形成)がどんな役割を果たしてきたか、近隣という群れを失った結果、子どもにどんな歪み・欠落が生じたかを考察。新しい近隣造りを考える。
1 ヒトはどんな動物か――比較生物学から見た「ヒト」
2 現実とは何か
3 近隣力――近隣は豊かな子育ての涵養林であった
4 近隣形成に挑戦した人たちの系譜
5 EUの危機感
6 我が国の街づくり
7 国が変わるのを待ってはいられない
- コミュニティ政策4号
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コミュニティ政策への新たな胎動
シンポジウム「地方分権改革の潮流と自治的コミュニティの創造」
寄稿論文 深化するコミュニティ政策(日本型都市内分権の特徴とコミュニティ政策の新たな課題、アメリカにおける「ネイバーフッドカウンシル」の構築――市民の公共参加をめざす新しいコミュニティ自治組織)
事例報告(神戸市「神戸市における協働と参画の取り組み」、札幌市「コミュニティ政策の現状と課題――まちづくりセンターが目指すもの」、岐阜県多治見市「住民自治を目指して――多治見市ホワイトタウン自治会の試み」、熊本県山江村「住民主体の情報発信による地域コミュニティの形成――熊本県山江村住民ディレクター「つれづれの記」」)
自由投稿論文 地域共同管理と「公共性」――沖縄県宜野湾市の事例をとおして
書評
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居住福祉法学の構想
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット8) -
わが国で起こりつつある「居住福祉学」を法学、とくに民法学の側から位置づけた「居住福祉法学」を構想する。借地借家問題、ホームレス問題、災害復興、居住差別問題などさまざまな角度から、総論的問題視覚をはっきりさせる。
1 総論――「居住福祉法学」の問題意識
2 借地借家問題(各論その一)
3 マンションの共同管理問題など(各論その二)
4 ホームレス問題(各論その三)
5 災害復興(各論その四)
6 中山間地の居住福祉(各論その五)
7 居住差別問題(各論その六)
もっと知りたい方のために
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奈良町の暮らしと福祉
――市民主体のまちづくり
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット9) -
わたしたちの住む家や町、村や国土そのものが福祉となるような「居住福祉」こそ、まちづくりの根源的なキーワード。風化してゆく町の再生、JR奈良駅取り壊し問題など、26年に渡る奈良町再生活動の軌跡を振り返る。
1 まちづくりの主役は市民――風化してゆく町を甦らせよう(奈良町再生活動と私、町並みはみんなのもの、奈良町の歴史と「奈良地域社会研究会」、花街の情緒をふたたび、川の復元を――水辺は町の潤い)
2 自分たちの町は自分たちで創る――(社)奈良まちづくりセンターの二六年(町の記憶の掘り起こし、奈良まちづくりセンターの活動――知域経営は知恵と工夫で ほか)
3 地域固有の風景・景観は国民共有の資産――JR奈良駅取り壊し問題など(突然の理事長就任と奈良町の現在、遺伝子は受け継がれているか ほか)
4 町並みと暮らしが共存する町を目指して(この町に子どもは残るか、レトロな町を愛でる若者、居住福祉資源の創出へ、住み続ける町、生き続ける町へ)
- 福祉社会学研究3号
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特別寄稿
ソーシャル・ケア領域における福祉の混合経済:国際比較の視点から(マイケル・ヒル、所道彦 訳)
訳者解題
特集:ソーシャル・ガバナンスの可能性 特集解題(杉岡直人、平岡公一)
脱二分論型思考とパートナーシップ(宮脇淳)
福祉社会のガバナンス――グローバルとローカル(武川正吾)
参加と協働による地域福祉のガバナンス――持続可能な地域コミュニティの形成(野口定久)
自由論文
シティズンシップの変容と福祉社会の構想(亀山俊朗)
ホームヘルプ労働の教育制度と相互行為場面についての考察――実践の中で「熟練者になる」ことを学習する(石田健太郎)
パネル・ディスカッション報告
「べてるの家」の福祉社会学 (野口裕二)
研究情報
「福祉社会学」研究と日米センター助成プログラム(高野佳男)
書評 白波瀬佐和子著『少子高齢社会のみえない格差――ジェンダー・世代・階層のゆくえ』(直井道子)
春日井典子著『介護ライフスタイルの社会学』(藤崎宏子)
倉本智明編『セクシュアリティの障害学』(杉野昭博)
山田富秋編著『老いと障害の質的社会学――フィールドワークから』(天田城介)
三井さよ著『ケアの社会学――臨床現場との対話』(木下康仁)
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地場工務店とともに
――健康住宅普及への途
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット6) -
安全で健康に暮らすための家「健康住宅」の普及を促進する著者が、地域密着型の地場工務店での施工を提案する。全国の地場工務店の交流や結束の様子を紹介し、「地場工務店は予防医学の町医者」であるという結論を導き出す。
1 日本の住宅の問題点(住宅内事故での死亡者が多い、家が原因の病気、短命の住宅)
2 健康住宅とはなにか(快適な住み心地(温度、湿度など)、家が原因の怪我、事故にあわない、家が原因の病気にならない、健全な家族関係を維持する、家そのものも病気にならない)
3 地場工務店よ、勉強しよう!――健康住宅研究会の結成とその活動(健康住宅研究会(第一次)、地場工務店の活動を支えてくれた東北電力株式会社、第二次健康住宅研究会の開始、第三次健康住宅研究会の開始)
4 地場工務店よ、交流しよう!――全国健康住宅サミットの誕生と発展(沖縄サミット(第一回全国健康住宅サミット)、能代サミット(第二回全国健康住宅サミット) ほか)
5 地場工務店よ、人に知ってもらおう!(「レポート 金のなる木を育てている地場工務店」、「レポート 健康を回復させた家」)
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子どもの道くさ
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット7) -
子どもの安全が脅かされている社会状況の中で、安全の確保を最優先すべきという主張が、かえって彼らの健全な発達を阻害する可能性はないだろうか。子どもの生活世界をつぶさに取り上げることで、疑問に対する解答を示す。
序 子どもをめぐる問題の所在
1 改めて道くさの意義について
2 子どもにとって道くさとは
3 子どもの道くさの特徴
4 子どもの道くさワールド――調査からの分類
5 子供への接し方を考える
6 地域環境への視点
7 安全で安心な道くさの実現のために
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地域社会学の視座と方法
(地域社会学講座 第1巻) -
グローバル化と地域社会の相克を中核テーマに地域社会学会30年の営為を結集した新講座第1巻。
序
第吃堯|楼莠匆餝悗侶狙と展開
第1章 地域社会と地域社会学(藤田弘夫)
第2章 〈農村−都市〉の社会学から地域社会学へ(西山八重子)
第3章 グローバリゼーションと地域社会(町村敬志)
第4章 グローバリゼーション、市民権、都市(岩永真治)
第2部 地域社会研究への複合的視座――基本概念と研究視角
第1章 地域社会の編成と再編(小内透)
第2章 地域社会の構造と空間(瀬戸一郎)
第3章 都市化とコミュニティの変容(松本康)
第4章 地域社会の自治と再建造(中澤秀雄)
第3部 実践としての地域社会学
第1章 地域フィールドワーク実践と地域社会学(清水洋行)
第2章 地域社会学の知識社会学(中筋直哉)
第3章 地域社会へのリテラシー(佐藤健二)
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グローバリゼーション/ポスト・モダンと地域社会
(地域社会学講座 第2巻) -
近代の極限・グローバル化の中における可視的生活空間としての地域再生の動き。新講座第2巻。
序
第吃堯.泪ロトレンドと地域社会
第1章 ポストモダンとしての地域社会(吉原直樹)
第2章 世界システムと世界都市の論理(黒田由彦)
第3章 ネットワーク社会とメディア公共圏(大澤善信)
第局堯^榮阿ら見た地域社会
第1章 世界の移動と定住の諸過程(アルベルト・メルレル)
第2章 トランスナショナリズムの展開がもたらす地域社会の現在的課題(広田康生)
第3章 移動と生活・潜在能力の発達(浅野慎一)
第敬堯|楼莠匆颪稜鵬と再生の諸相
第1章 グローバリゼーションとイタリア地域社会の非営利・協同事業組織の展開(田中夏子)
第2章 グローバリゼーションと日本の地場産業(高橋英博)
第3章 地域形成主体としての女性――主婦のパラドクス(国広陽子)
第4章 地域形成主体としての「弱者」(佐藤恵)
第5章 「災害(多発)社会」と人間生活の再生(大矢根淳)
第孤堯/靴燭文共性の創出にむけて
第1章 地域生活、ローカルガバナンス、〈公共性〉(橋本和孝)
第2章 いくつものもうひとつの地域社会へ(新原道信)
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地域社会の政策とガバナンス
(地域社会学講座 第3巻) -
地域社会再生のため画一的国家行政を超え,多様なアクターを交えた政策形成へ。新講座第3巻。
序
第吃堯|楼萓策の展開と地域の変容
第1章 戦後日本の地域政策(吉野英岐)
第2章 地域開発政策と農村の変容(大久保武)
第3章 都市化と都市政策の展開(清水亮)
第局堯|楼茲諒冤討判嗣嘘萋阿療験
第1章 子育て、教育をめぐる運動の展開(中西典子)
第2章 福祉の地域化とボランタリー・セクター(三本松政之)
第3章 地域経済とまちおこし(矢部拓也)
第4章 災害とまちづくり(横田尚俊、浦野正樹)
第5章 外国人と多文化共生(都築くるみ)
第敬堯|楼茱バナンスと地域社会学の技法
第1章 地域政策と地域ガバナンス(玉野和志、田中重好、鰺坂学)
第2章 地域政策の策定の技法(西村雄郎、谷口浩司)
第3章 住民参画の技法(市川虎彦、山下祐介、菅磨志保、西山志保)
政策形成・評価のツールの開拓
市民参画型社会調査(立木茂雄)
ニーズ調査(中西典子)
コミュニティ・カルテ(野呂芳明)
社会指標(social indicators)(西山志保)
アクションリサーチ(Action Research)(藤井達也)
GIS、社会地図(矢部拓也)
シミュレーション(simulation)(菅磨志保)
ハザードマップ(浦野正樹)
引用・参考文献
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覚醒剤の社会史
――ドラッグ・ディスコース・統治技術 -
覚醒剤はその背後に夥しい社会的・歴史的視線をまとっている。その単なる薬理を超えた社会性を端的に示す「ヒロポンと覚醒剤とは違うものだ」とのひと言に導かれ、医学論文、国会会議録、使用者の告白など、言説分析を基底とする詳細な探究を通じて、覚醒剤そしてドラッグという現象の成り立ちを明らかにするとともに、さらに今日の社会のありようにまで考察を進める、わが国初のドラッグの社会学。
序章 覚醒剤の社会史――ある奇妙な「何か」から考えはじめること
第一部 ドラッグ政策研究と方法論の検討
第一章 ドラッグ問題とドラッグ政策研究――リンドスミスのドラッグ研究
第二章 政策と道徳――機能分析という方法
第三章 ディスコースの分析――方法論的ディスコース主義
第二部 覚醒剤現象の研究
第四章 初期医学的諸研究――薬理作用の探究
第五章 覚醒剤中毒のディスコース編成――探究から鑑定へ
第六章 法案審議にいたるまでの過程――前提的に構築される他者性
第七章 法案成立、そしてその後――新たな他者性の構築
第八章 覚醒剤使用者の告白――語りの同心円構造
終章 覚醒剤ディスコースと統治技術――何が思考されなかったのか
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日本の居住政策と障害者をもつ人
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット4) -
ノーマライゼーション原理と国連社会権規約委員会の「居住の権利」の内容と意義をとりあげ、スウェーデンとアメリカという、一見対極的な両国との比較をふまえて、日本における障害をもつ人への居住政策の課題を明らかにする。
1 ノーマライゼーション原理と国連社会権規約委員会の「居住の権利」(ノーマライゼーション原理と「生活の質としての居住」、国連社会権規約委員会における「居住の権利」 ほか)
2 ノーマライゼーション、ソーシャル・インクルージョンに基づく居住政策(社会的排除から社会参画へ、スウェーデンにおける障害をもつ人の自己決定権・当事者参加 ほか)
3 わが国における障害をもつ人への居住政策(障害をもつ人への居住保障の立ち遅れ、障害者施設・精神病院における脱施設化と地域社会の居住条件 ほか)
4 わが国自治体におけるユニバーサル基準のまちづくり(静岡県におけるユニバーサルデザインのまちづくり、帯広市におけるユニバーサルデザインのまちづくり ほか)
おわりに――わが国の政府および自治体の課題
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障害者・高齢者と麦の郷のこころ
――住民、そして地域とともに
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット5) -
障害者や高齢者などへの生活支援、労働支援、発達支援を行っている「麦の郷」で経験した特徴的な事例や、そこから見える問題点を掘り下げる。また、「麦の郷」の歴史、仕組み、これからの方向性を語る。
1 人が地域で暮らすということは?居住福祉を考える
2 地域とともに
3 なぜ、障害者施設の麦の郷が高齢者問題に取り組むのか?
4 限界から新たな広がり、地域へ
5 障害者自立支援法と麦の郷
6 麦の郷のこれからの課題
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仕事と生きがい
――持続可能な雇用社会に向けて
(日本労働社会学会年報第16号) -
特集 仕事と生きがい――持続可能な雇用社会に向けて
ホワイトカラーのワークライフバランス――時刻別行為者率アプローチによる生活時間構造変動分析
ホワイトカラー労働者のキャリアと働きがいの多様化――ワコールとトヨタ自動車の労働者調査に基づいて
年齢差別と高年齢者雇用
研究ノート
家族農業経営における販売に関わる労働とジェンダー
若年者の雇用問題と職業能力の形成の日台比較――「学校から職業への移行」を中心として
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社会政策研究6号
特集:社会保障改革のホットイシュー -
特集:社会保障改革のホットイシュー
社会保障改革の進行と社会政策(埋橋孝文)
公的年金改革の類型と2004年年金改革による制度のゆくえ(鎮目真人)
日本の医療制度改革の現状と展望(尾形裕也)
生活保護改革における稼働能力活用要件の検討(布川日佐史)
教育行政に関する国と地方の財政負担(戸谷裕之)
介護保険制度の見直しで問われたこと(埋橋孝文)
障害保健福祉政策(勝又幸子)
公共サービス分野における労働環境の間接的規制(吉村臨兵)
自由論文
カリフォルニア州GAINプログラムの再検討(小林勇人)
福祉国家とコミュニティ概念(畑本裕介)
近代日本における社会問題の出現とその効果(小澤考人)
書評
白波瀬佐和子『少子高齢社会のみえない格差』(松田茂樹)
埋橋孝文編著『比較のなかの福祉国家』(河野真)
秋元美世『児童青少年保護をめぐる法と政策』(許末恵)
近藤克則『「医療費抑制の時代」を超えて』(石井加代子)
社会政策の動向 2004年4月・2005年3月(石田健太郎 資料作成)
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新ツーリズム学原論
――自由時間社会の豊かさの質とは -
「自由時間」が生の中核をなす新たな社会の実現をめざし、多角的、具体的に切り拓くツーリズムの新地平
ツーリズムとツーリズム研究の諸前提(今防人)
第1部 ツーリズム研究の新地平
LOHAS社会の実現を目指して――「自由時間政策」の新たな展開(加藤敏春)
観光誘因と観光資源の地域的特性と普遍的価値(佐々木宏茂)
『観光立国論』を読む(今防人)
観光動因と充足感・不満感の相関性(早崎正城)
第2部 ツーリズムの新しい動向とイメージの変容
ツーリズムと宗教――スペインの修道院宿泊事例を中心に(小川祐子)
観光開発が少数民族観光村に与える影響について(陳晶)
学生の目でインバウンドを見る(和平勝明)
ツーリズムと対外イメージの変容(田昌禾)
第3部 ツーリズムを演出する
地方空港の役割と今後の展望――地方の時代を航空需要から考察する(和平勝明)
北東アジアの観光の可能性――その下部構造、基本構造、上部構造(佐々木宏茂)
「焦作現象」――中国の新しい観光開発(今防人)
ホテル不動産価格の決定要因(石崎文吾)
観光産業におけるホスピタリティ教育(秋貞子)
地域観光ボランティアガイドと高齢者の生きがいとの接点を目指して(安勝煕)
国際観光資源に関する一考察(中本強)
第4部 持続可能なツーリズム
ツーリズムと環境保護(1)――英国ナショナル・トラストのワーキングホリデーを通して(中村茂徳)
ツーリズムと環境保護(2)――和歌山県・天神崎ナショナル・トラストを通して(中村茂徳)
水辺景観の再生と保全――バンコクにおける水と暮らしの関係からの分析(佐野充)
資料編
- 労働社会学研究7号
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論文
ノンエリート青年の「学校と仕事の間」のリアリティ:ある高校中退者の事例から考える(神野賢二)
女性のNPO活動と金銭的報酬(大槻奈巳)
研究例会報告
「職業」としてのストリート・パフォーマーという視点から(相原進)
ノンエリート青年の「学校と仕事の間」のリアリティ(神野賢二)
CAP改革と外国人労働者の受け入れ(中川功)
家族農業経営における販売に関わる労働とジェンダー(渡辺めぐみ)
欧州連合における労働移動とそのガバナンス(ユイス・バユス)
最低賃金問題から総合的社会保障への見通し(石橋和彦)
リフレクティブ・プロダクション・システムとは何か(森川誠)
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[新版]新潟水俣病問題
――加害と被害の社会学 -
企業・行政の責任回避・不徹底をはじめ、加害と被害を連鎖的に拡大したメカニズムを社会科学的調査に基づき剔抉し、大量の未認定患者の存在をクローズアップした前版(1999年刊)に、その後の新たな問題展開――特に、多くの未認定患者を水俣病と認め、かつ行政の加害責任を明確に判示した最高裁判決や、新潟水俣病の教訓を伝えるための「ふれあい館(新潟水俣病資料館)」建設の経緯などを増補し、本問題の全貌を包含した最新版。
第1章 新潟水俣病問題の歴史と概要
第2章 加害過程の特質――企業・行政の対応と加害の連鎖的・派生的加重
第3章 被害者潜在化のメカニズム――集団検診の受診と認定申請をめぐる困難の分析
第4章 水俣病差別とニセ患者差別――未認定患者への差別と認定制度の介在
第5章 家族による被害の経験
第6章 阿賀野川流域における生活世界の変容
第7章 職業に関連する損失および被害の総体
第8章 未認定患者の長期放置と「最終解決」の問題点
補論1 新潟水俣病の教訓化をめぐる動きと残された課題
補論2 水俣病関西訴訟の最高裁判決とその含意
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言説分析の可能性
――社会学的方法の迷宮から
(シリーズ 社会学のアクチュアリティ:批判と創造 第5巻) -
言説分析とは何か?社会学との関係は?その意義と方法をめぐって錯綜した論議が沸騰するなか、メディア論や知識社会学、計量分析、構築主義等との異同を解き明かし、社会科学の新たな武器としての可能性を追求する。現代のアクチュアリティに迫るシリーズ第3弾。
はしがき
序章 閾のありか――言説分析と「実証性」(佐藤俊樹)
第1章 言説分析とその困難(改訂版)――全体性/全域性の現在的位相をめぐって(遠藤知巳)
第2章 フーコーとマクルーハンの夢を遮断する――フリードリッヒ・キットラーの言説分析(北田暁大)
第3章 メディアが編む国家・世界そして男性――サッカーゲームの言説分析(坂本佳鶴恵)
第4章 空白の正義――「他者」をめぐる政治と倫理の不/可能性について(橋本摂子)
第5章 構築主義と言説分析(中河伸俊)
第6章 知識社会学と言説分析<(橋爪大三郎)
第7章 言説分析と実証主義(鈴木譲)
終章 言説分析と社会学(友枝敏雄)
事項索引
人名索引
執筆者紹介
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人間諸科学の形成と制度化
――社会諸科学との比較研究 -
「人間科学」はなぜ生まれたのか?また「人文科学」「社会科学」等とそれとの関係および相違とは?――人間科学という名称の誕生と大学におけるその制度化の歴史を詳細に辿り、人間科学の特質を明らかにするとともに、自然科学また従来の社会科学と対峙する、今日におけるその在るべき使命、位相への展望を開く
第吃堯ー匆餡奮悗反祐峅奮悗隆愀
第1章 社会科学と人間科学の境界をめぐる議論
第2章 人類学 人間学 人間科学
第局堯ー匆餡奮慂法論の展開とその隘路
第3章 社会科学における客観性と価値判断
第4章 社会学におけるシステム理論の位置づけ:「科学」と「技術」の区別をめぐる論争
第敬堯ー匆餡奮悗反祐峅奮悗寮度
第5章 経済学の制度化
第6章 人間科学の制度論
結 残された課題
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現代タイにおける仏教運動
――タンマガーイ式瞑想とタイ社会の変容 -
正統派と異質の独自の瞑想実践、寄進の推進と聖護符等の販売、映像メディアを駆使した活発な宣伝活動等、経済発展下変容著しいタイ社会において、都市新中間層の若者・大学生を中心に急激に信徒数を伸ばしたタンマガーイ寺の活動の中に何を読むか。再三の現地取材、アンケート調査等を通じ、そのユニークな活動の来歴・思想・活動の全貌を解明した実証研究。
まえがき
序章 課題と方法
第1部 近代初頭の宗教行政とタイ仏教:パークナーム寺の事例
第1章 タンマガーイ式瞑想と仏教制度改革
第2章 タンマガーイ式瞑想とその思想
第3章 パークナーム寺の活動――2つの脱地縁性と瞑想活動の低迷
第2部 消費社会とタイ仏教:タンマガーイ寺の事例
第4章 タンマガーイ寺の概略――形成・組織・活動
第5章 タンマガーイ寺の形成――開拓の世代と組織拡大の世代
第6章 一般信徒の成員構成と信仰心の型――統計資料を中心に
第7章 儀礼と瞑想修行
第3部 タイ仏教の変容と自己・社会関係の再構築
第8章 守護力の仏教――主流派と非主流派の伝統形成
第9章 寄進と共同性――聖地・仏像・マスメディア
第10章 瞑想・修養と消費社会
第11章 守護力信仰と瞑想実践の近代
参考文献
付録
初出一覧
あとがき
事項索引
人名索引
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居住福祉資源発見の旅
――新しい福祉空間、懐かしい癒しの場
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット1) -
地域社会の中の一見、福祉とは無関係とみられる文化や施設などにも、高齢者の健康と生きがい、暮らしと福祉を支えているものが多数ある。本書ではこれを「居住福祉資源」と位置づけ、それを発見・評価し、その保全、再生、創造にとりくむ人々を現地に訪ねてみる。
1 寺社
(「おばあちゃんの原宿」とげ抜き地蔵――東京巣鴨、仏にかこまれたケア空間「くぎぬき地蔵」――京都西陣、「嫁入らず観音院」の知恵――岡山県市原市、「高塚愛宕地蔵尊」――大分県日田市、寺社は精神的居住福祉資源――「八事山興正寺」名古屋)
2 暮らしの中の居住福祉資源
(懐かしさに癒される銭湯――京都「石川湯、泉涌寺湯」、人生をとりもどす住居――大阪・釜ヶ崎「サポーティブハウス」、家族のぬくもりをとりもどす――新潟「うちの実家」・坂戸「元気な亀さん」、街の中のトイレ――秋田県鷹巣町「げんきワールド」、「高齢者にやさしい商店街」松江市天神町、「ご近所型福祉」――米子「田園プロジェクト」、「音のカーナビ」のまち――群馬県草津・栗生楽泉園)
3 公共・公益施設
(無人駅に集う高齢者たち――鳥取県・八橋駅、ローカル線・路面電車の福祉機能――千葉県「いすみ鉄道」・広島電鉄他、「ひまわりサービス」――過疎地の高齢者を支える郵便局、福祉を配達するデイサービス船「夢ウエル丸」――岡山県笠岡市)
4 村と町を居住福祉空間にする
(「ニュータウンの再生」――大阪府・千里ニュータウン、防災対策と日常の居住福祉政策にあり――「阪神大震災」の教訓、故郷は心の居住福祉資源――新潟県「山古志村」、高速道路を壊して清流をとりもどす――ソウル市清渓川の復元)
むすびにかえて――住居の社会的保障は最大の居住福祉資源
参考文献
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どこへ行く住宅政策
――進む市場化、なくなる居住のセーフティネット
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット2) -
日本の戦後住宅散策の変遷を検証し、その背景にある市場化への道筋を明らかにするとともに、今後、その延長線上にある国の住宅政策に期待できない国民の居住改革をすすめていくにはどうするべきかを解説する。
1 戦後住宅政策の終焉――なくなる居住のセーフティネット
2 戦後住宅政策の成立――まず住宅不足解消をめざし
3 戦後住宅政策の展開――一戸でも多くの戸数主義
4 戦後住宅政策の転換――高度成長、地価高騰のもとで
5 戦後住宅政策の崩壊――景気対策から市場化路線へ
6 住宅政策のゆくえ――居住福祉実現の一歩として
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漢字の語源にみる居住福祉の思想
(日本居住福祉学会 居住福祉ブックレット3) -
東アジアの伝統的な居住文化を、家にまつわる漢字の語源や風水から読み解き、「居住福祉」の思想や理念を探る。今日の住宅政策や都市計画などに新たな視座を提供し、「居住福祉社会」の構築を促す一冊。
序 なぜ「居住福祉」なのか(本書が明らかにしたいこと、東アジアの共通課題)
1 漢字の語源にみる居住福祉の思想(語源を捜し求める目的、「居」の成り立ちと意味、「宀」冠の付く家屋関係の漢字について、漢字語源からの啓示)
2 風水理論にみる居住福祉の思想(なぜ「風水」をみるのか、風水の究極の目的――「気」による人間と自然の結びつき、住居についての風水説の考え方と計画要点、居住環境の影響力と福祉力 ほか)
おわりに 「居住福祉社会」の構築へ向けて
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世界システムの新世紀
――グローバル化とマレーシア -
グローバル化がもたらす国際分業の変容の可能性、周辺社会の内部変動、周辺社会の一部が半周辺へ上昇することによる世界システム総体に現れる影響、3つの問題点を、聞き取り調査に基づき理論的・経験的に検討する。多国籍化を推進してきた日本企業と、その主要な進出先の1つであるマレーシアを事例とした考察。
内容
グローバル化はなにをもたらすのか
経済のグローバル化と国際分業の転換――NIDLからpost‐NIDLへ
多国籍企業の戦略動向――日本企業はなにをしているのか
周辺社会における情報化戦略と多国籍企業――MSC計画の現状と展望
半周辺化における国家――比較NIEs形成論の試み
エスニシティ関係と国家政策――「三者同盟」論再考
エスニシティとインフォーマル化――リンケージ形成における媒介
労使関係の変容と労働者の技能形成――連続性のなかの変化
半周辺化における移民労働者――その役割と意味
「ニュー・リッチ」形成からみる半周辺化――階級構成の動態と展望
post‐NIDLと世界システム――国際分業の変化はなにをもたらすの
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社会階層と集団形成の変容
――集合行為と「物象化」のメカニズム -
日本はじめ現在の先進諸国では、見かけ上の「豊かさ」とは裏腹に、成因を異にする多様な階層格差が深刻な社会問題群を生み出している。これらの格差と問題群に対し、経済的利害に傾斜した従来の階級論が説明能力を失っていることは既に明らかだ。変化する階層構造のなか個人はいかにして他者とむすびつくのか?またそうした集合性はどのように社会的威力を発揮しうるのか?マルクスとヴェーバーの物象化概念の裡に、これまで見落とされていた集団形成の論理を辿り、現代社会学の欠落に挑む力作。
イントロダクション――階級論のパラドクス
第吃堯.泪襯ス階級論における集団形成と「物象化」
第1章 初期マルクスの階級把握と唯物論のプロブレマティーク
第2章 後期マルクスの社会理論と階級形成――労働価値説をめぐる転位とアポリア
第3章 マルクス派社会理論と社会学的インプリケーション
第局堯.凜А璽弌室匆餝悗罰層的集団形成
第4章 ヴェーバー社会学の方法論と意味解釈
第5章 「社会学の基礎概念」における社会関係と意味連関の実体化=物象化
第6章 「地位」概念と「階級」・「支配」――集団形成の重層的メカニズム
第7章 宗教社会学における「社会層」と意味連関の合理性/物象化
第8章 中間考察と展望
第敬堯ヽ層的集団形成・集合行為と物象化
第9章 集合行為と階層的集団形成――集団カテゴリーの物象性=象徴性をめぐって
第10章 階層的集団形成と象徴化/物象化――M.Douglasの「けがれ」と象徴作用をめぐって
第11章 物象的意味連関と集団形成
第12章 後期資本制社会における階級・階層構造の変容と集合行為
終章 行為と社会関係をめぐって
文献リスト
初出一覧
あとがき
事項索引
人名索引